全国15駅に信号設定不備、国交省が緊急点検の結果公表 東急田園都市線の事故受け
国土交通省は11月12日、東急田園都市線で10月に発生した脱線事故を受けて実施した緊急点検の結果、全国10の鉄道事業者が管轄する15駅で信号装置の条件設定に不備が見つかったと発表した。いずれの箇所もすでに設備の改修などを終え、安全は確保されているという。
国土交通省は11月12日、東急田園都市線で10月に発生した脱線事故を受けて実施した緊急点検の結果、全国10の鉄道事業者が管轄する15駅で信号装置の条件設定に不備が見つかったと発表した。いずれの箇所もすでに設備の改修などを終え、安全は確保されているという。
点検の対象となったのは、全国186社・4760駅(信号場を含む)。不備が確認されたのは、JR西日本の4駅、JR東日本の3駅のほか、京浜急行電鉄、阪急電鉄、札幌市交通局、湘南モノレール、近江鉄道、神戸電鉄、広島電鉄、高松琴平電気鉄道の各1駅。JR東日本とJR西日本については点検が未完了のため、今回の結果は中間報告としている。国交省は両社に対し、早期の点検完了と、それまでの間の監視体制強化を求めている。
国交省は今後、点検結果を踏まえて必要な対応を検討し、鉄道輸送の安全確保に向けて必要な対応を行っていくとしている。
東急田園都市線の事故は10月5日午後11時4分ごろ、梶が谷駅構内で発生。上り線ホームに進入しようとした普通列車が、引き込み線上で停止していた回送列車と接触し、回送列車の最後尾が脱線した。この影響で、田園都市線は5日に14本、6日に1093本を運休。2日間で計65万2100人に影響が出た。乗客と双方の運転士にけがはなかった。
東急によると、信号や分岐器を制御する「連動装置」のプログラム設定に誤りがあり、進路上に列車がいても信号が赤に切り替わらず、ATC(自動列車制御装置)が青信号を伝えたことで、列車同士が衝突したという。設定は2015年3月の改修時に更新していたもので、誤りは10年以上発覚しなかったとしている。
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