電力会社の従業員、約9年間電気を不正利用 社内システム操作し隠蔽 中電パワーグリッド
中部電力パワーグリッドが、従業員が約9年にわたって電気を不正利用していたことが発覚したと発表した。従業員は社内システムを操作し、自身の電気契約停止を偽装。一方でその後も電気を使い続けていた。不正利用を検知する仕組みもあったが、従業員は社内システムを操作し、隠蔽し続けたという。
中部電力パワーグリッドは11月17日、従業員が約9年にわたって電気を不正利用していたことが発覚したと発表した。従業員は社内システムを操作し、自身の電気契約停止を偽装。一方でその後も電気を使い続けていた。不正利用を検知する仕組みもあったが、従業員は社内システムを操作し、隠蔽し続けたという。
従業員は2016年5月、電気契約の管理システムを操作し、自身の電気契約を自身で受け付け。通常、停止を受け付けた場合はシステムから技術部門に施工指示が送られるが、従業員は本来システム停止時に使う紙面による施工指示を行い、技術部門への伝達を回避。現地での施工作業を行わせないようにし、契約停止後も電気を使い続けられるようにした。
同社では本来、契約停止には施工結果の登録作業や他従業員による承認も必要だったが、これも回避した。従業員はあたかも現地での施工が行われたかのように紙面に結果を記入。さらに他の従業員に登録作業をさせ、それを自ら承認することで、2025年10月まで電気を不正利用し続けた。
同社では契約が停止したにもかかわらず電気が使われている場合、社内システム上でエラーが表示され、調査の対象になるが、これも回避。社内システムを不当に操作し、自身がエラーの対象にならないようにしていたという。
発覚したのは25年10月。中電パワーグリッドの委託先が、各戸を訪問して行う点検で不正利用の可能性を確認し、同社に通報した。その翌日に現地を調査し、通報のあった住居が従業員の自宅であることを確認。本人に聞き取りを行ったところ、行為を認めた。
中電パワーグリッドは一連の原因について(1)受付と承認の手続きにおいて、同一担当者による業務処理が可能だった、(2)電気契約が廃止された場所において、電気使用が発生したが、当該従業員による不当な社内システムの操作によりエラー検知ができなかった、(3)当該従業員が自身の業務上の立場を悪用した──と説明。
(1)については旧中部電力が20年に持ち株会社を中部電力に、送配電事業を中電パワーグリッドに、販売事業を中部電力ミライズに分社しており、基本的に契約停止の受付・登録・承認作業はそれぞれで分割していると説明。ただしシステム上では中電パワーグリッドでも受付が可能なため、改修により不可能にして再発防止を目指す。(2)についてはエラーの全数検知、(3)についてはコンプライアンス研修の実施で対応する方針を示した。
警察や監督官庁へは報告済み。従業員は今後「社内規定にのっとり、今後厳正に対処する」(中電パワーグリッド)という。
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