OpenAIとFoxconnが戦略的提携 米国でAIサーバコア部品を製造へ
OpenAIは、AIデータセンターのコンポーネント設計・構築のため、台湾Foxconnと提携すると発表した。Foxconnの米国工場で電源や冷却システムなどのコアコンポーネントを製造する。アルトマンCEOは「AI時代の中核技術が米国で構築されることを確実にするための一歩」と語った。
米OpenAIは11月20日(現地時間)、米国でAIデータセンターのコンポーネントを設計・構築するため、台湾Foxconnと提携すると発表した。金銭的な条件は公表していない。
OpenAIは、Foxconnが製造するシステムを早期に評価するためのアクセスと、それらを購入するオプションを付与する。両社はインフラの展開を加速させながら、長期的な米国での生産能力を確保することが目標だと述べた。
この契約に基づき、OpenAIとFoxconnは複数世代のAIサーバを並行して共同開発するとともに、電源、ネットワーク、冷却システムなどのコアコンポーネントをFoxconnの米国工場で製造する。Foxconnはウィスコンシン州、オハイオ州、テキサス州、バージニア州、インディアナ州に工場を保有している。
サム・アルトマンCEOは「この提携は、AI時代の中核技術が米国で構築されることを確実にするための一歩だ」と語り、AIインフラを「米国を再産業化する世代的な機会」と呼んだ。
Foxconnの劉揚偉会長は「世界最大のAIデータサーバメーカーであるFoxconnは、信頼性と拡張性に優れたインフラを通じてOpenAIのミッションをサポートし、イノベーションを加速させ、世界中の企業やユーザーにとって革新的なAI機能へのアクセスを拡大する独自の立場にある」と語った。
OpenAIは最近、複数の企業と積極的に取引を進めており、約1兆4000億ドルの投資を表明している。その中には、米NVIDIAとの1000億ドルの契約も含まれる。Foxconnは、NVIDIAの主要グローバルサプライヤーだ。
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