Microsoft、インドとカナダで総額230億ドル超の大規模AI投資を発表
Microsoftはインドとカナダに対する、AIインフラおよび人材育成を中心とした大規模投資を発表した。インドには2026年からの4年間で175億ドルを投じ、データセンター拡張や2000万人へのAIスキル提供を進める。カナダには2023年から2027年までに190億カナダドルを投資し、AI・クラウド基盤とデジタル主権の強化を目指す計画だ。
米Microsoftは12月9日(現地時間)、インドとカナダでAIインフラや人材育成を中心とする大規模投資を行うと発表した。インドには2026年から2029年までの4年間で総額175億ドルを投じ、クラウドおよびAIインフラの拡張、人材育成、同国での事業運営を強化する計画だ。カナダには2023年から2027年までの期間で総額190億カナダドル(米ドルでは約54億2000万ドル)を投資し、そのうち今後2年間に75億カナダドル超を投入してAI・クラウド基盤とデジタル主権の強化、人材育成を進めるとしている。
インド向けの175億ドル投資は、同社が年初に表明した30億ドル規模の投資に上乗せする形で行われ、アジアにおける過去最大のコミットメントと位置付けられている。主な使途は、2026年半ばに稼働開始予定のハイデラバード新リージョンを含むクラウドおよびAI用データセンターの拡張、インド労働雇用省のデジタル公共プラットフォーム「e-Shram」や「National Career Service」へのAI統合による3億1000万人超のインフォーマルワーカー支援、2030年までに2000万人にAIスキルを提供するリスキリング施策の拡大などだ。
カナダ向けの190億カナダドル投資は、同国でのデジタルおよびAIインフラ構築とデジタル主権保護を同時に進めることを目的とする。Azureのカナダ中部・東部リージョンのデータセンター能力を拡張し、2026年後半から順次新たなAI・クラウド容量を稼働させる計画だ。
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