検索
連載

インキュデータ経営層の本棚をのぞき見 SB・博報堂などの合弁会社、社長や取締役の愛読書はIT経営者の本棚(3/4 ページ)

今をときめくIT・Web関連企業の経営者の本棚や愛読書をのぞき見。今回はソフトバンク、博報堂などが設立した合弁企業で、データ活用などのコンサルティングを手掛けるインキュデータ経営層の本棚や愛読書をのぞき見る。

Share
Tweet
LINE
Hatena

鈴木一志コーポレートエグゼクティブの本棚・愛読書

読んでいる本についての全体的な傾向

 昔から本は読む方だったと思います。最近はすっかりKindle派ですが、小説や情報誌、ビジネス書を同時並行して読むのが習慣、というより癖に近く、モノによっては紙媒体にもお世話になります。

 年齢を重ねてビジネス書も読むようになりましたが、それは誰かと話を合わせるための読書という、極めてタクティカルな行為です。だからこそ、愛読書として残る本はほんのわずか。何度かの断捨離を経ても手元に残る数冊の中に、今回紹介する本があることが自分らしいなと思います。本が読めているということは、自分がニュートラルでいられている証拠。知識や経験の出し入れもリズムの問題で、読むこと自体が“自分をチューニングする時間”なのかもしれません。

印象に残っている本

 定期的に手に取るたび、少しだけ姿勢が良くなる不思議な1冊が「現代ロックの基礎知識」(鈴木あかね著)です。

 ロックを音楽ではなく「社会の鏡」として語り、階級、ジェンダー、政治、経済、メディア──あらゆる角度から“ロックという現象”を解体していく1冊です。著者の文体は軽やかでユーモラスなのに、背景には圧倒的な知の密度を感じます。知識が詰まっているのに、読み心地はメッシやネイマールのドリブルのように軽やか。著者のライフスタイルそのものがアウトプットとして表れていて、勝手に憧れている自分がいます。

 ロックが社会にあらがう音なら、経営は社会と調和しながら鳴らすリズム。そして、「真面目に働き、洒落て生きる」に私はあこがれ続けるのです。だから、これからもきっと、Kindleと紙の本を1冊、かばんに入れて生きていくのだと思います。

プロフィール

 博報堂にてデジタルビジネス推進局、マーケティングシステムコンサルティング局に所属し、業界を問わず企業のデジタル化推進をサポート。常にクライアント目線での並走を基本スタイルに、最新技術とトレンド、フィジビリティのバランスを重視したソリューションの提供にこだわり、ITの効果と可能性の最大化を目指している。2022年4月よりインキュデータ出向、25年7月にコーポレートエグゼクティブ就任。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る