小寺信良のIT大作戦
新語は“Google超え”――Microsoftの「Copilot Keyboard」は、正常進化したAI日本語入力だった(2/3 ページ)
変換以外でのCopilotとの接続
Copilot Keyboardは、変換効率以外の部分でもAIを活用しようとしている。例えば変換候補が出たところでしばらく止めておくと、横に「本」のアイコンがある候補はウィンドウが横に広がって、単語の意味などを表示してくれる。
この部分には「Copilotの回答」と表示されるが、情報の参照元はほぼWikipediaである。一部Oxfordと表示されるものもあるので、複数のデータベースから情報を引いているようではあるが、日本語の意味はだいたいWikipediaになる。
しかし日本語の正しい意味の解説がWikipediaで大丈夫なのかという心配もある。ATOKは広辞苑や大辞林から引いてくるので、情報元として信頼できる。このあたりは、日本語入力の選択の条件として注目したい部分だ。
さらに解説部分には「詳しく見る」というリンクもある。ここをクリックするとMicrosoft Edgeが起動して、Bingで変換中の単語を検索した結果が表示される。ここではWikipedia以外の一般的なサイトの情報も出てくるので、意味を深掘りすることもできる。ただこれはAIというよりはただの外部リンクである。
ここまでならいかにも「Microsoft囲い込み」ではあるが、文章を書きながら外部への知識と最短でつながる方法論としては面白い導線だ。ここになんらかのキーボードショートカットが割り当てられれば、より効果は高いだろう。
肝心の変換効率だが、ライブ変換ができないながらも、長文入力の変換結果はかなり良好で、誤変換はほとんどない。また多くの日本語入力が苦手とする日本語と英単語の混在文章も、かなりうまくさばいてくれる印象だ。Shift押ししたアルファベットの略語はそのままローマ字入力になるし、先頭をShift押しの大文字で入力しなくても、入力した文字列から該当する可能性のある英単語は候補に出してくれる。
またCopilot Keyboardのウリとして、クラウド変換できるので最新用語に強い点があげられる。今一番新語が誕生するのはネット上であるが、「ネット流行語100 2025」を参考に、ネットスラングやブームになったものがどれぐらい変換できるか試してみた。
例えば「グエー死んだンゴ」はクラウド変換するまでもなく、ローカルのシステム辞書内で変換できた。「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」も同様である。一方「アマテ・ユズリハ」のようなキャラクター名はシステム辞書にはなく、クラウド変換でサポートされていた。
ネットスラングに強いと言われた日本語入力には過去「Google日本語入力」があったが、Copilot Keyboardはそれを上回る。ネットの書き込みははかどるだろう。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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