OpenAIとゲイツ財団、アフリカの医療をAI化する「Horizon 1000」に5000万ドル
OpenAIとビル・ゲイツ氏のGates Foundationは、アフリカの医療をAIで支援する「Horizon 1000」を共同発表した。5000万ドル(約79億円)を投じ、2028年までに1000拠点の保健施設にAIを導入する。診断支援や事務自動化を通じて、アフリカのプライマリヘルスケアの質と効率を向上させるとしている。
米OpenAIとビル・ゲイツ氏の慈善団体Gates Foundationは1月20日(現地時間)、アフリカのプライマリヘルスケア(地域に根ざした基礎的医療)をAIで強化する共同プロジェクト「Horizon 1000」を発表した。まずルワンダでのパイロット運用から開始し、2028年までにアフリカ全土の1000拠点へと支援を拡大する計画だ。両者は総額5000万ドル(約79億円)の資金、技術、技術支援を拠出する。
ゲイツ氏は自身のブログで「AIが貧困、飢餓、病気といった根本的な課題の解決にどのように役立つか考え続けてきた」とし「医療インフラが欠如した国々では、AIは質の高い医療へのアクセスを拡大する大きな変革をもたらす」と述べた。
サハラ以南のアフリカでは約600万人の保健医療従事者が不足しているとされ、現地の最前線には極めて高い負荷がかかっている。ゲイツ氏は、人材確保・育成だけでは埋めにくいギャップがあり、臨床判断の支援や事務負担の軽減にAIを導入できると説明した。
具体的には、最前線の医療従事者が複雑なガイドラインに沿って判断しやすくすることや、事務負担の軽減などで診療に割ける時間を増やす用途を想定する。ルワンダのパイロットプログラムでは、診断、患者記録管理、予約スケジュール、医療従事者のトレーニングのためのAIツールをテストする。
OpenAIは、AIの能力が急速に高まる一方で、現場で使える形への展開が追い付いていない点を課題として示し、医療では強力なモデルを日常診療で機能するツールに落とし込むことが焦点だとする。
Microsoftからの支援を受けているOpenAIは今月、ヘルスケア分野への進出の一環として「ChatGPT Health」を発表したばかりだ。
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