変なカメラで遊ぼう──富士フイルム「instax mini Evo Cinema」の開発者に聞く「ジダイヤル」とエフェクトの使い方:分かりにくいけれど面白いモノたち(3/5 ページ)
富士フイルムの「instax mini Evo Cinema」は、とんでもなく変なカメラである。それが、3週間ほど毎日使ってみての率直な感想だ。この変なカメラの秘密について、企画担当者に根掘り葉掘り聞いてきた。
例えば、1960と1980の設定で撮った、恵比寿ガーデンプレイスの同じ風景。こうやって並べると、なんか古代遺跡の調査写真みたいに見えたりする。
「1960は、カラーの8ミリフィルムをイメージした設定なので、今風に言うと、エモいようなものが簡単に撮れると思っています。フレームスイッチをオンにしていただくとパーフォレーションも出るので、8ミリ感をかなりお手軽に使えます」と嶋さん。

左の写真は1970、右は1960の設定で撮影。1960年代の風景はほとんど覚えていないし、実際の1970年代がこういう色合いだったかも分からないけれど、あったかもしれない時代の空気が感じられるのが、このカメラの面白さ一方で、1970は、1960と10年しか変わらないのに、写り方は全く違う。例えば、この電線の写真は、カラーの色味が強い方が1970で、落ち着いた色調の方が1960。1970の方はカラーテレビの時代を反映して、走査線が入っていて、1960の方はフィルムカメラの時代に露光不足の時に出やすいザラッとしたノイズが入っているのが分かると思う。つまり、10年という時間よりも、その時代がどういう空気だったか、どういう映像が新しかったのかがポイントになっているのだ。その上で、今の目で見るとエモかったり、懐かしかったりと、また当時とは違った印象になるのが面白いのだ。
「1930、1940あたりは、撮影者しか見えないものが見えていたり、時代が後ろに行けば行くほど再生機器が多くなるので、それが全部入り混じって、録画なのか、録画メディアなのか、録画機器なのか、再生機器なのかって」と嶋さんが言う通り、フレームスイッチに関しては、見えてるもの、本来撮影者しか見えていないもの、写真に撮ることで見えるもの、プリントすると見えるものなどが、ゴチャゴチャになっているのがポイントだろう。個人的にはジダイヤルのある種の「エモさ」に対する批評製のような視点があるようにも思えた。メタ的な視点というか、作り手が真面目に遊んでいる感じ。
そういえば、マイクロSDカードを経由すれば、撮影した写真や動画を直接PCなどに取り込めるのだけど、そうすると、その写真や動画がどういう設定で撮ったものかが分からなくなりがち。そういう場合、カードの中に写真データと一緒に保存されているJSONファイルを開くと、細かい設定が書かれているので、これをそのまま写真アプリなどのインフォメーション欄なんかにコピペしておくといいかもしれない。時代設定も0〜9の値で記録されている。
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