EV購入で最大130万円引き テスラも実質404万円台で買える「CEV補助金」 中には”輸入車格差”も:走るガジェットTeslaに乗ってます(1/2 ページ)
1月からスタートした「CEV補助金」の増額。経産省は上限を最大130万円に増やしたことで、トヨタ「bZ4X」などの国内勢だけでなく、Teslaなどの海外勢にも恩恵が出ている。例えば、Tesla Model 3 RWDは実質404万円台で購入可能になったが、その一方で中国BYDは据え置きのまま。CEV補助金の恩恵と輸入車に設けられた“格差”について考察する。
「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現される米Tesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、このクルマを連載形式でリポートします。
2025年12月18日、経済産業省が令和7年度補正予算における「CEV補助金」(車両)の補助上限額の見直しを発表しました。なんと、上限額は130万円と従来より最大40万円もの増額です。日米関税協議の合意(25年7月22日の日米間の枠組み合意についての共同声明)による米側の要求を反映した結果です。従前の補助スキームを米国から「非関税障壁」と指摘されたことによる措置という見方が主流です。
26年1月1日から3月31日までに新車として登録された車両に対し適用されます。ちなみに、CEV補助金のサイトには、「終了見込み時期:令和8年2月13日」との記述がありますが、これは増額前の予算上限についての発表なので心配は無用です。3月31日まで適用されます。
ただし、4月1日以降の補助金は未定です。本原稿執筆時、経産省のサイトには、新たな補助額を3月中に決定予定と明記されています。減額されないことを祈りましょう。
満額の130万円の補助を受けることができる車両は主にトヨタ車が中心です。例えば、EVである「bZ4X」はすべてのグレードにおいて130万円です。ベーシックグレードの「G(FWD)」の税込定価が480万なので、実質350万円で購入可能です。似たようなサイズのハリアーのベーシックグレード(ガソリン)371万300円より安価に購入可能です。東京都在住であれば、さらに上乗せの補助があります。
ただし、トヨタの公式発表によるとbZ4Xの納期は、3〜6ヵ月程度とあります。販売店によっては、注文を受けていないところもあるようです。令和7年度補正増額分の補助金には間に合いそうにありません。前述のように4月1日以降未定なので、やきもきします。
Model 3 RWDが実質404万3000円で購入可能
米国のブランドであるTeslaは、「Model 3」、「Model Y」共に、127万円とほぼ満額です。ベーシックな「Model 3 RWD」が531万3000円なので、実質404万3000円で購入できる計算です。ちなみに、この原稿を書いている26年2月末の段階で「納車予定: 2026年4月」と明記されています。来年度の当初予算においても127万円が継続することを願うばかりです。
他メーカーの各車両の補助額については、銘柄ごとの補助金交付額をご確認ください。
CEV補助金については、「不要だ」といった批判的な意見を多く目にします。ただ、思い出してください。プリウスに代表されるハイブリッド車などの低燃費車にも過去には、「エコカー補助金」(旧制度名)というスキームで車両の購入補助や税制優遇が存在しました。クルマの低燃費化を推進したい政策の一環だと記憶しています。今では、旧エコカー補助金は、CEV補助金、エコカー減税・環境性能割・グリーン化特例といった形で継続しています。
現在のCEV補助金は、日本国として2050年カーボンニュートラルを実現するためのバックキャストの一要件として必要という考え方に立脚した結果です。グリーントランスフォーメーション(GX)の加速という命題を背景に、テールパイプからのCO2排気を削減したいという政府の強い意思に他なりません。実際、経産省の資料には下記の記述があります。
「運輸部門は我が国のCO2排出量の約2割を占める。自動車分野は運輸部門の中でも約9割を占めており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、環境性能に優れたクリーンエネルギー自動車の普及が重要」
ちなみに、日本政府が規定する「電動車」には、ハイブリッド車も含まれています。EUのように"内燃機関排除"という方向ではありません。「骨太方針2023」の本文(付則や脚注ではなく)においてEV・FCV・PHEV・HV等を含む形で「いわゆる電動車」として明記されています。35年以降も日本ではハイブリッドの新車に乗ることができます。
また、「等」という表現を用いることで、水素エンジンや合成燃料(e-fuel)の活用など、将来的な内燃機関技術の広がりも視野に入れています。内燃機関が大好きな方々も心穏やかに過ごすことができるでしょう。
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