マンガワン問題の影響か 動画の非公開化や放送中止など相次ぐ イベント中止も
小学館の漫画配信アプリ「マンガワン」の問題を巡り、その影響とみられるコンテンツの公開中止が2月下旬から相次いでいる。小学館のみならず、他社を巻き込んだケースも多い。
小学館の漫画配信アプリ「マンガワン」の編集部が、性犯罪歴のある作家をペンネームを変えて起用するなど、編集者の判断や社内確認体制が問われている問題で、その影響とみられるコンテンツの公開中止が2月下旬から相次いでいる。小学館のみならず、他社を巻き込んだケースも多い。
BSテレ東は2月26日、午後10時から放送予定だった「漫画クリスタル」の放送当日の夕方になって延期すると発表した。漫画クリスタルは、漫画好きを公言する野田クリスタルさんがMCを務める番組。この日は「ダーウィン事変」のうめざわしゅん先生とマンガワン編集者の成田卓哉氏が出演する予定だった。BSテレ東は理由について「番組制作上の都合」と説明している。
2月27日にはマンガワン編集部の公式チャンネルが動画を全て非公開化。同チャンネルは2024年「ウラ漫ー漫画の裏側密着ー」にリニューアルして以来、連載中の漫画家や担当編集者に密着した動画で登録者15万3000人を誇る人気チャンネルになっていた。
動画の制作を担当していたSync Creative Management(東京都新宿区)の行澤風人代表が自身のXアカウントで事情を説明した。「編集部全体を撮影するドキュメンタリーという映像の性質上、被害に遭われた方の心情を最優先に考え、ウラ漫として制作した全ての動画を先ほど非公開とさせていただきました」。配信再開の予定はないという。
その後、動画を非公開にしたことについてSNSなどで「編集部が隠蔽を図った」という噂が流れたが、行澤氏はこれを否定。「こちらから要望をし行った」と明かしている。なお、そうした事情をXで発信した理由については「全て該当の作家への怒り、編集部への失望から来るもの」という。
有隣堂、ヤンマガも
同じく27日、書店チェーンの有隣堂が運営する人気YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」は、マンガワン編集部を取り上げた動画を非公開にしたと公式サイトなどで明らかにした。「当該動画出演者の所属する編集部に関する報道および状況を踏まえ、社内で検討した」と説明している。
3月2日には講談社ヤングマガジンの公式YouTubeチャンネル「ヤンマガ日常ch」が、マンガワンの編集者が出演した回を公開中止に。今後の運用については「状況を注視しながら適切に対応」するという。
また3月2日には、小学館のファッション雑誌「Oggi」が主催するライブイベント「Oggi LIVE」が開催前日でありながら中止を発表している。理由は「公演主催者である弊社・小学館の都合により」としているが、SNS等ではマンガワン問題との関連を指摘する声が上がっている。
マンガワン編集部は、ウラ漫のように漫画家や編集者の仕事ぶりを見せることで読者の支持を得てきた面があり、そのぶん外部への露出も多かった。なお小学館は3月2日、問題点の究明と再発防止に向けて第三者委員会を設置する方針を明らかにしている。
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