Mistral AI、8億3000万ドルの融資獲得。欧州最大級のAIインフラ構築へ
Mistral AIは、パリ近郊のデータセンター運用に向け8億3000万ドルの融資を受けた。NVIDIAの最新GPUを採用し、2027年末までに欧州全体で200メガワットの容量構築を目指す。三菱UFJ銀行も資金を提供する。
仏AI企業のMistral AIは3月30日(現地時間)、パリ近郊のデータセンター運営に向けて8億3000万ドルの融資を受けたと発表した。この施設はフランスのブリュイエール・ル・シャテルに位置し、1万3800基の米NVIDIAのGPU「GB300」採用の「NVIDIA Grace Blackwell」インフラを稼働させ、総容量を44メガワット(MW)へと引き上げる計画だ。2027年末までに欧州全体で200MWのキャパシティを構築し、独自のAI開発と管理を求める政府や企業からの需要に応える構えだ。
同社が融資による資金調達を実施するのは今回が初。フランスのBpifrance、BNP Paribasなどに加え、英HSBC、日本の三菱UFJ銀行(MUFG)も資金を提供する。なお、融資による資金調達は増資とは異なり、負債として返済義務を負う代わりに、創業者や既存株主の持ち分の希薄化を避けながら、インフラ投資に必要な巨額の資金を確保する手法だ。
Mistral AIは、2023年4月にGoogle DeepMindやMeta出身の3人の研究者らが設立した。不透明な“ブラックボックス型”AIに異議を唱え、オープンソースで効率的かつ革新的なAIモデルを通じて、最先端の技術をすべての人に民主化することを使命としている。最近では、NVIDIAが発表した次世代のAI基盤である「Vera Rubin」の採用を検討している企業の1社としても名前が挙がっている。
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