ぬいぐるみは“人が触る”とよりかわいく見える、触っている人もかわいく見える 阪大が研究発表:Innovative Tech
大阪大学大学院に所属する研究者らが科学誌「PLOS ONE」で発表した論文「Beyond the baby schema: Objects being touched are perceived to be cute」は、人が触れているぬいぐるみは、触れていない状態よりもかわいく見えることを実証した研究報告だ。
Innovative Tech:
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
大阪大学大学院に所属する研究者らが科学誌「PLOS ONE」で発表した論文「Beyond the baby schema: Objects being touched are perceived to be cute」は、人が触れているぬいぐるみは、触れていない状態よりもかわいく見えることを実証した研究報告だ。
かわいいと感じられるモノには、大きな頭や丸みを帯びた短い手足、広い額といった身体的特徴があることが知られている。動物行動学者のローレンツが80年以上前に「ベビースキーマ」と名付けたこの仕組みは、赤ちゃんや子犬、子猫などに共通する外見上の特徴である。
しかし近年、こうした個体そのものの特徴だけでなく、個体同士の関係性もかわいさの知覚に影響するのではないかという指摘がなされている。本研究は、この2つの要因を同時に操作し、かわいさの印象がどう変化するかを日米の参加者を対象に検証した。
実験では、ベビースキーマの程度が異なるモノとして、ぬいぐるみ(ベビースキーマが高い)とビーズクッション(ベビースキーマが低い)を用意し、人がそれに両手で触れているパターンと触れていないパターンの写真を作成した。
日本語母語話者198人と、アメリカ国籍を持つ英語母語話者199人にアンケートを実施し、モノと人それぞれについて「かわいい」(アメリカでは「cute」)の程度を7段階で評価してもらった。
結果、まずぬいぐるみはクッションよりもかわいいと評価され、ベビースキーマの効果が改めて確認された。それに加えて、ベビースキーマの程度にかかわらず、人が触れているモノは触れていないモノよりもかわいいと評価された。
さらに、モノに触れている人自身もよりかわいいと評価された。つまり、触れるという行為が、モノと人の双方のかわいさを高めていたわけだ。これらの傾向は日本とアメリカの両方で共通して確認された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ダンゴムシの足と遠隔で触れ合える装置 立命館大が開発
立命館大学小西聡研究室の研究チームは、ダンゴムシの足を遠隔操作で触れて、蹴り返してきた反力を計測する触覚デバイスを提案した研究報告を発表した。
テキストだけで、AIが3Dモデルを自動生成 米Googleなどの研究チームが開発
米Google Researchと米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、自然言語の記述のみからデジタル3Dオブジェクトを生成するZero-shot learningを使ったアプローチを提案。3Dの学習データを必要とせずに形状や色、スタイルを柔軟に制御する。
“どの次元”でも車輪のように転がる“球以外の図形” カナダの数学者らが発見 体積は常に球より小さい形状
カナダのマニトバ大学などに所属する研究者らは、どんな次元でも一定の幅を保ちながら、球よりも小さい体積を持つ図形を発見した研究報告を発表した。
生命の起源、「RNAワールド仮説」が現実味 自己複製できる45塩基のRNA「QT45」発見 Science誌に掲載
英ケンブリッジ大学などに所属する研究者らは、たった45塩基の短いRNAが自己複製能力を持つことを実証した研究報告を発表した。



