Anthropic、本人確認機能を導入 悪用防止とコンプライアンス強化で
Anthropicは、悪用防止や法的義務の順守を目的に、一部のユースケースで本人確認機能を導入した。外部パートナーのPersona Identitiesを通じて政府発行の身分証と自撮り写真による照合を行う。収集データは本人確認のみに使用され、AIモデルの学習には利用されないとしている。
米Anthropicは4月14日(現地時間)に追加したヘルプページで、「いくつかのユースケースにおいて本人確認機能を展開」していると説明した。強力なテクノロジーを責任を持って提供するためには、誰が利用しているかを把握することが重要であり、悪用の防止や利用規定の徹底、法的義務の順守を目的としてこの機能を導入したとしている。
すべてのユーザーに一律で求められるわけではなく、特定の機能にアクセスする際や、プラットフォームの定期的な整合性チェック、その他の安全性およびコンプライアンス対策の一環として対象となる場合があるという。
なお、ヘルプページでは本人確認の実施に関連してアカウントが停止される条件についても説明している。安全性維持のプロセスの一環として、利用規約やポリシーへの度重なる違反、サービス提供外の地域でのアカウント作成、18歳未満による利用が確認された場合には、アカウントの停止措置がとられる可能性があるという。不当にアカウントを停止されたと考えるユーザーに対しては、専用の異議申し立てフォームから調査を依頼できる窓口も用意されている。
この本人確認プロセスはAnthropicが直接行うのではなく、外部パートナー企業の米Persona Identitiesを通じて実施される。手続きには、パスポートや運転免許証、国民IDカードなどの政府発行の写真付き身分証明書の原本と、スマートフォンやPCのカメラを使ってリアルタイムに撮影する自撮り写真を使用する。Personaは、OpenAIや、Roblox、LinkedInなどが採用している。
提出された身分証明書や自撮り写真はPersona Identitiesによって収集および保持され、Anthropicのシステム内に直接コピーや保存されることはないとしている。また、ユーザーのプライバシー保護に関し、Anthropicは収集した本人確認データを身元確認や法的・安全上の義務を果たすためだけに使用すると明言しており、同社のAIモデルのトレーニングに利用されることはないと強調している。
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