テスラの強みは自動運転だけじゃない アップデートで“プチストレス”を解消するユーザー体験に真価あり:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(3/3 ページ)
4年前、料金所で白線が消えた途端にパニックを起こしたクルマが、今はそのまま通過する。リリースノートには「その他」としか書かれていない変化だ。ワイパーの改善、ドッグモードの追加──Model 3に4年乗り続けたオーナーが見た「地味な進化」の積み重ねを追う。
FSD Supervisedを必要としないユーザーも一定数いる
今、日本のTeslaユーザーの間ではFSD Supervised(自動運転レベル2の運転支援)の解禁がいつになるのかで、かまびすしいわけですが、すべてのTeslaユーザーにとってFSD Supervisedが必要か、と問われると、否だと思います。つまり、標準装備のAPで十分であり、87万1000円を支払ってまで後付けする必要性を感じないユーザーもたくさんいるのではないでしょうか。
実際、FSD Supervisedの解禁国では、全Teslaユーザーにおける普及率が 約14%、最新の車載コンピュータであるHW4のユーザーに限った場合、概ね20〜25%程度という情報もあります(2026年4月末の情報)。残りのユーザーは、何らかの理由でFSD Supervisedの必要性を感じていないのかもしれません。
米国では、月額99ドルのサブスクリプションでの提供になりました。日本円で約1万6000円ですが、昨今の日米の経済格差を考えると、米国のユーザーであれば99ドル程度であれば、大きな出費とは思えません。それでも、普及率が決して大きくはないことを考えると、不要なユーザーもたくさんいるということでしょう。
そのようなユーザー、あるいはFSD Supervised非解禁国のユーザーにとっては、APは、まだまだ必要な機能であり、地味ながらも進化していくことが切望されて然るべき機能ではないかと感じます。つまり、FSD SupervisedがあるからAPの進化は必要ないとは言い切れないと感じています。
ただ、今現在FSD Supervisedが不要でも、それが必要になった時点で対価さえ払えば自車に後付できることの意義は、Teslaユーザーの特権であり現時点では他社がマネできない部分だと思います。
そして、本連載の過去記事で幾度か述べていますが、FSD課金において、同じサブスクでも、必要な時だけ、必要な距離分に対して課金するような仕組みも実現して欲しいものです。Teslaの場合、FSDのソフトウェア自体はOTAで実装可能なので、ユーザーの希望に応じて都度ロックを外せばいいだけです。
これが実現すれば「日帰り旅行に出かけるので、今日1日分のFSDを購入しよう」といった利用方法も可能になります。ハンズオフ可能な先進運転機能に特別なハードウェアを必要としないTeslaならそれができるのです。
例えば、現在販売中の日産車を購入したユーザーが、後付けで次世代プロパイロットをオプション追加することは、おそらくはできないわけですから。次世代プロパイロットが搭載された車種を新たに購入する必要があり、その分出費が高額になる可能性もあります。
このようなTesla=イーロン・マスク氏としての思想と理想があるからこそ、我々Teslaユーザーは、満足感と期待感を伴いつつ、日々ワクワクを感じてTesla生活を満喫していると言えるでしょう。
著者プロフィール
山崎潤一郎
音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla
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