インドの首都ニューデリーの主要ハイテク企業が利用しているデータセンターで今月5日に起きた火災により、20年超にわたって蓄積してきたデータが消失した可能性がある。また米Googleのクラウドサービスもインドでのネットワーク障害が断続的に起きている。企業の書簡や情報筋の話で分かった。 ロイターが24日、報じた。
火災が起きたのは、シンガポールのST TelemediaとインドのTata Communicationsが所有する「STT Global Data Centres India」の施設。施設の一部に「甚大な被害」が生じてデータの復旧が困難になっていることが、Tata Communications傘下企業が顧客に宛てた書簡で明らかになった。
書簡では、火災が「甚大で広範囲にわたる被害をもたらして」サービスの提供に障害を来したとし、「データの復旧に向けて引き続き最善を尽くしているものの、被害の深刻さによって影響を受けたデータやシステムの復旧には大きな課題が生じている」と説明した。
Tata Communicationsはインドの証券取引所に5日提出した書簡で、火災による混乱を抑えるため事業継続計画(BCP)を発動したことを明らかにした。
世界で使えるSIMカードを販売するインド企業で、データセンターを利用しているMatrix Cellularのガウラフ・カンナ最高経営責任者(CEO)はロイターに対して「Matrixは影響を受けたTataのデータセンターに保存されていた20年超にわたり蓄積された運用データおよび業務データへのアクセスを失った可能性がある」と打ち明けた。
Googleは9日、公式サイトのトラブルなどの事象を公表するページで「サードパーティのデータセンター施設での火災により、ネットワーク機器の緊急電源遮断が必要となった」と明らかにしたが、Tata Communicationsの社名は明かさなかった。
Googleが23日に発表した最新情報では依然として回避策がないとし、施設が完全に復旧するまではネットワーク障害が起こる可能性があるとして顧客に注意を促した。
STT Global Data Centres Indiaは発表した声明で、影響を受けた顧客に対して可能な場合は代替の容量への移行などによる支援をしているとした上で、「独立した技術的な根本原因の分析を進めている」と説明した。同社の初期評価によると、影響は単一のデータホールおよび関連インフラに限られ、施設の他の部分は稼働を続けている。
火災の詳しい原因はまだ分かっていないものの、デリーの消防当局によるとリチウム電池ユニットで出火した。
Tata Communications、Googleはいずれもロイターの取材に回答しなかった

Copyright © Thomson Reuters
関連記事
Qualcomm、AIデータセンター向けCPU「Dragonfly C1000」発表 Metaが次世代サーバに採用、2028年後半に生産へ
Qualcommは、AIデータセンター向けの新たな製品群を発表した。中核はサーバ向けCPU「Qualcomm Dragonfly C1000」で、独自の「Oryon CPU」コアを採用し、競合の最新サーバ向けCPUと比べて2倍以上の電力効率を謳う。Metaが次世代サーバ群への採用を決め、2028年後半に生産を始める。
FBIが作った「偽の町」 病院もデータセンターもまるで本物 約2000平米の巨大空間でサイバー捜査を訓練
米FBIが、住宅や病院、電力会社などを屋内に再現したサイバー捜査の訓練施設「Kinetic Cyber Range」を運用している。約2000平方メートルの偽の町で、2025年2月の開設以降1400人超を訓練してきた。各区画には実際に動くシステムを組み込み、現実の捜査さながらの実習を行う。
Anthropicへの500万ドル間接出資を解消、広告事業のイオレ 軸足移すAIデータセンター事業に資金投入
イオレは6月19日、3月に決めた米Anthropicへの間接出資を解消し、出資金500万ドル(約7億9355万円)全額の返還を受けると発表した。返還資金は自社で開発を進めるAIDCへの投資に充てる。- パナソニックエナジー、28年度に売上高2兆円目指す AIデータセンター向けに主力転換
パナソニックホールディングス傘下で電池事業を担うパナソニックエナジーが2028年度に売上高2兆円規模を目指す中期方針を明らかにした。達成すれば25年度から約1兆円増の大幅な成長となる。生成AIの普及で電力需要が増えるデータセンター向け蓄電システムを成長の柱に据え、26〜28年度に3500億円を投資する。
Intel、データセンター向け新CPU「Xeon 6+」発表 エージェンティックAI基盤を強化
Intelは「Computex Taipei 2026」で、データセンター等向けの新CPU「Xeon 6+」を発表した。最先端のIntel 18Aプロセスを採用し、前世代比で最大2.5倍の性能向上を実現。新イーサネットコントローラや次世代データセンターGPU「Crescent Island」の追加情報も公開した。
