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» 2005年05月12日 00時00分 公開

レビュー:高画質と多機能に磨きをかけた21.3インチUXGA液晶ディスプレイ──ナナオ「FlexScan L997」 (1/3)

ナナオからEIZOブランドの21.3インチUXGA液晶ディスプレイ「FlexScan L997」が登場した。高画質で定評のあった従来モデル「FlexScan L985EX」の後継機種で、さらなる高画質化と多機能化が図られている。価格も個人ユーザーの手が届くところまで下がってきた。広い画面と安定した高画質は抜群に快適で、やっぱり液晶ディスプレイは大画面がいいと再認識させられる製品だ。

[林利明(リアクション),ITmedia]

21.3インチUXGAでA4見開きを等倍表示可能

 「FlexScan L997」(以下、L997)は、グラフィックやCADなどのプロ用途をおもな対象とした21.3インチUXGA(1600×1200ドット)の液晶ディスプレイだ。

 21.3インチというサイズは、A3(A4見開き)を等倍表示できる大きさである。アプリケーションのワークエリアを広く取れるのはもちろん、A3サイズまで等倍表示で確認できるのは、デザイン関連に従事する人にはとても魅力的だろう。画面を縦位置に回転できるピボット機能も搭載するため、A3縦のデザインも原寸で確認できる。Webブラウザやビジネスアプリケーションも、すこぶる快適だ。

 20インチ以下のUXGA製品と違って、文字やアイコンが小さくなりすぎないため、デスクの奥に置いても画面が見やすい。従来モデルの「FlexScan L985EX」(以下、L985EX)からの強化点も交えながら、試用レポートをお届けしていこう。

21.3インチUXGA液晶ディスプレイ「FlexScan L997」はA3(A4見開き)を等倍で表示可能だ。試しにL997のカタログ(サイズはA4)の原版PDFファイルを表示してみたが、ちゃんと見開きで原寸表示できていた

 液晶パネルの表面はノングレア処理で、流行の光沢液晶ではない。光沢液晶は画像や動画の「鑑賞」には向いているが、編集やビジネスアプリケーションなど、画面に集中する「作業」には適さない。外光を反射するし、何より目が疲れるからである。

 入力インタフェースはデジタル/アナログ両対応のDVI-I×2系統だ。DVI-Dケーブルのほか、コネクタがDVI-D&D-Sub15ピンのケーブルが付属するため、買ってきた状態でもアナログ接続ができる。

 入力切り替えは前面のボタンで行う。押したあとの表示切り替えも高速だ。筆者は17インチSXGAの「FlexScan S170」を日常作業に使っているが、これよりもかなり速い。実際の差は1秒くらいでも、体感的な差は大きいのだ。

入力インタフェースはDVI-I×2。2ポートのHi-Speed対応USB2.0ハブも備える

 本体のスタンドは、高さ調節とスウィーベル、チルトが可能なハイトアジャスタブルスタンドだ。ただ、高さ調節を一番下にしても、意外と画面の位置が高い。画面を縦位置に回転させるピボット機能のためだと思うが、ピボット機能を使わない人も多いので、もう少し低い位置にできてもよかったのではないだろうか。

画面の位置は割と高めだ(上は高さ調節最高、下は最低)。机とイスの高さにもよるが、画面をなるべく見下ろすようにイスの高さを調整すると目が疲れにくい
各種ケーブル類は、スタンドのネック部分にまとめられる。正面から見たときにケーブルが隠れるため、見た目にもスマートだ

画質に定評あるスーパーIPSパネルを採用

 液晶パネルには、スーパーIPSパネルを採用する。広い視野角と、視野角による色変化の少なさ(低色度変位)、高い色純度が特徴で、画質面で高い評価を受けているパネルだ。

 L985EXもスーパーIPSパネルだったが、L997のパネルはコントラスト比や応答速度が向上している。コントラスト比は、L985EXの400:1に対してL997は550:1、応答速度はL985EXが50msでL997は30msだ。最大輝度は両者とも250カンデラ/平方メートルとなっている。

 また、L985EXはRGBバランスの「B」が微妙に弱かったそうだが、L997では改善された。さらに、内部ガンマ補正の演算精度を14ビットに高めた(L985EXは10ビット)。内部ガンマ補正とは、入力されたRGB各色8ビットの信号を内部で10ビットに多階調化し、再び8ビットに整えて出力する機能だ。グラフィックスカードの出力特性や液晶パネルの表示特性を補正することで、素直な発色と微妙な階調表現が得られる。

 誤解のないように補足しておくと、L997も内部の多階調化は10ビットだ。入力8ビットを内部10ビットに変換する際、L985EXは10ビット精度で演算していたが、L997は14ビット精度で演算する。これによりL997では、特にシャドウ側の「0〜5」の階調表現力が向上したという。

 内部ガンマ補正を持たない安価な液晶ディスプレイには、RGB各色のガンマカーブが不揃いだったり、輝度によって交差するような製品があり、階調表現の弱さが見た目にも分かる(黒つぶれ、白とび、色飽和、トーンジャンプとなって表れる)。このため画質を重視するユーザーの中には、内部ガンマ補正の有無を選択ポイントにしている人も多い。

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