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» 2005年06月02日 00時00分 公開

オーバードライブ搭載のスタンダード19インチ液晶ディスプレイ──ナナオ「FlexScan S1910-R」 (1/2)

「FlexScan S1910-R」は、EIZOブランドのSlimEdgeシリーズに属する19インチ液晶ディスプレイだ。発売以来、高い人気を続ける「FlexScan S190」をベースに、「FlexScan M190」のオーバードライブ回路を搭載した期待の新モデルである。

[林利明(リアクション),ITmedia]

リクエストに応え、オーバードライブ回路を搭載

 「FlexScan S1910-R」(以下、S1910-R)の基本的なスペックは、現行モデルの「FlexScan S190」を踏襲する。コントラスト比が1000:1の高品質なPVA液晶パネルを採用し、最大輝度は250カンデラ/平方メートルだ。最大解像度はSXGA(1280×1024ドット)となる。

「FlexScan S190」の後継機種で、オーバードライブ回路を搭載したSXGA対応19インチ液晶ディスプレイ「FlexScan S1910-R」

 輝度が低く感じるかもしれないが、静止画や動画の鑑賞でも必要十分な明るさだ。通常使用だと、100%の輝度では目に厳しく、おそらく50%以下に落ち着くだろう(ちなみに筆者は17インチモデルのFlexScan S170を普段使っているが、通常は10%の輝度に設定している)。1000:1のコントラスト比は、引き締まった黒とクッキリハッキリした画面が特徴だ。

 S1910-Rの最大の特徴は、中間階調の応答速度を改善するオーバードライブ回路を搭載したこと。オーバードライブ回路とは、輝度変化の立ち上がり時(暗→明)には高い電圧をかけ、立ち下がり時(明→暗)には電圧を低くすることで、中間階調の応答速度を高める技術だ。現在の液晶テレビではほとんどの製品が採用しており、PC用の液晶ディスプレイでもオーバードライブ回路搭載モデルが徐々に増えている。

 ナナオの液晶ディスプレイでも、2004年冬に登場した17インチの「FlexScan M170」(以下、M170)と、19インチの「FlexScan M190」(以下、M190)がオーバードライブ回路を搭載している。当時としては、オーバードライブ搭載の液晶ディスプレイは画期的で、高速応答を求めるユーザー(特に動画やゲームの表示品質を重視するユーザー)に好評を博し、現在でも高い人気を保っている。

動画と音にこだわった17/19インチ液晶ディスプレイ「FlexScan M170/M190」

 ただ、PCのAV環境にこだわる人からは、必ずしも満点の評価を受けていない。その大きな理由は、M170/M190がスピーカーを内蔵している点だ。

 M170/M190の内蔵スピーカーは、これまでの液晶ディスプレイが備えていた「音が鳴ればいい」という程度のスピーカーと比べて、音質面ではるかに優れているのは間違いない。専用のスピーカーユニットとパンチングメタルのスピーカーネットは音のヌケがよく、SRS Labsの「SRS WOW」によるサラウンド機能も効果的だ。

 とはいえ、ある程度のクオリティを持った単独スピーカーと比べると、さすがに音質面で見劣りするのは否めず、5.1チャンネル以上の多チャンネルサラウンドにも対応できない。PCの「音」環境にこだわるユーザーの中には、M170/M190の内蔵スピーカーを使わず、独自のスピーカーシステムで音を鳴らしている人も少なくない。

 こうしたユーザーからは、「内蔵スピーカーをなくして低価格化と省スペース化」を望む声が大きかった。それに応えたのが、今回の新モデルだ。オーバードライブ回路の搭載により、一般的な液晶ディスプレイのスペックである黒→白→黒(白→黒→白)の応答速度は16ms、中間階調の応答速度は12msを実現している。

S190譲りの充実した機能と使いやすさ

 S1910-Rの各種機能も、S190とほぼ同じだ。スタンドには、チルト、スイーベル、高さの調節が可能な「ArcSwing 2」を採用している。液晶パネル部分が「弧」を描くように昇降する独特の設計で、画面の位置を自由に調整可能だ。画面を見下ろすような高さにすることで、目や首、肩や腕の疲れを軽減できる。

独自設計の「ArcSwing 2」スタンドにより、見下ろすような位置に画面を調整できる

 入力インタフェースは、アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)とデジタルRGB(DVI-D)の2系統だ。それぞれに対応したディスプレイケーブルが付属する。DVI-Dケーブルは単品で買うと意外に高いので、付属するのは嬉しいところだ。

入力インタフェースはアナログRGB(ミニD-Sub15ピン)とデジタルRGB(DVI-D)の2系統。画質調整ユーティリティ「ScreenManager Pro for LCD」用のUSBインタフェースも備える

 画質の調整項目も豊富だ。ざっと列挙すると、色温度(4000K〜10000Kで500Kごと、および9300K)、ガンマ、色の濃さ、色合い、ゲイン(RGB個別)などで、sRGBモードもある。アナログRGB接続では、RGBの階調表示を最適化するレンジ調整も加わり、自動調整も可能だ。

 これらの調整項目は、Windows用のユーティリティ「ScreenManager Pro for LCD」からでも設定できる(PCとS1910-RのUSB接続が必要)。マウスによるGUIで画質を調整できるため、S1910-R本体のボタン類より使いやすい。

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