見て、触ってもらえば、良さがわかる──レノボ・ジャパン ブランド&マーケティング担当執行役員インタビューThinkPad X41 Tablet特集(2):インタビュー(2/2 ページ)

» 2005年07月20日 10時30分 公開
[栗田昌宜,ITmedia]
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日本での一般販売が決まったのは、発表のわずか1カ月前

ITmedia それで日本でもやることになったわけですね。

荒川 いえ、日本でも一般に販売することを決めたのは、実は発表(6月8日)のわずか1カ月前です。それまでは、製品に型番を付け、レノボ・ジャパンが販売するノートPCの製品ラインアップの1機種として日本市場に対してきちっと提供するというのではなく、お客様からタブレットPCのご要望をいただいたときにはご提供できるような、単なる品揃えの一部として持っておこうというレベルでした。

ITmedia それが変わったのはなぜでしょう。

荒川 X41 Tabletの実物を見たからです。見てすぐに『これは売れる』と思ったし、真っ先に自分用に欲しいと思いました。これまでTシリーズやXシリーズを何台も自分用に買い換えてきましたが、X41 Tabletの実物を見て触っていると、こんな使い方ができる、あんな使い方もできると、具体的な活用方法のイメージが自分の中でどんどん膨らんでいくのです。

 タブレット機としての押しつけがましさがないところもよかった。X41として存在していて、タブレット機能も付加価値として付いているので、よろしかったらどうぞご利用ください、といった感じでしょうか。

 それと、ThinkPadとしての仕上がりの良さ。モックアップやテスト用のサンプル機はそれ以前にも見ていたのですが、実物の仕上がりはそれらとは全然違いました。正直言って、ここまでThinkPadとして仕上がってくるとは思っていませんでした。さすが大和研究所、と誇らしい気持ちになりました。

 そこで、X41 Tabletの担当チームをすぐに呼び出して「日本ではやらないって言ってたけどやろうよ。絶対売れるよね」と話をし、記者発表会なども急遽セットして、大々的にアナウンスすることにしたわけです。

ITmedia X41 Tabletがそのバリューやソリューションを発揮できるのはどんな分野なのでしょうか。

荒川 先に挙げた訪問販売、対面業務に加え、PCをモバイル用途で利用しているお客様には多くのチャンスがあると考えています。

 モバイルPCは、自分自身が出先で使いたいというのももちろんありますが、顧客先で説明するのに使用するといった利用方法も多い。そういうときに、ディスプレイを相手の方へ振り向けられ、同じプレゼンテーション画面を見ながら話ができるタブレットPCは、売り込みたい製品やサービスのバリューを相手に伝えるためのセールスツールとして非常に強力です。

X41 Tabletのディスプレイを回転させて画面を見せながら説明する荒川氏

 社内用途でも、部下などから上がってくる各種ドキュメントをチェックし、修正箇所や注意点などをメモ書きしてフィードバックするためのレビューマシンとして使えます。また、プロジェクタでプレゼン資料を表示しながらペーパーレスで会議を進めていくような環境では、強調したい部分にマークを付けたり、補足説明やその場で決まったことをプレゼン資料に直接書き込んだりできるタブレットPCの特長は、今後ますます重要になって行くでしょう。

ITmedia 先ほど「見てすぐに『これは売れる』と思った」とおっしゃいましたが、そう思わせる何かがあったのでしょうか。

荒川 製品にとって、“華”があるかどうかはとても重要です。たとえばiPodのように、世の中に広く受け入れられる製品には人を惹き付ける“華”があります。X41 Tabletの実物を初めて見たときにもそれを感じました。それに加えて、ThinkPadとして譲ってはならないものもきちっと備えている。

 内輪話になりますが、X41 Tabletの記者発表の際には実際にX41 Tabletを使ってプレゼンを行いましたが(記者発表会の記事を参照)、実はそれをやろうと言い出したのは私です。X41 Tabletをプロジェクタにつないでプレゼンを行いながら、画面に書き込んだり画面を回転させたりして、記者の方々に驚いてもらおうと思ったからです。そこで担当チームに言って、急遽アプリケーションやファイルをX41 Tabletに移し替えてもらいました。

荒川氏はX41 Tabletの記者発表会で、X41 Tabletを使ってX41 Tabletのプレゼンを行った

 X41 Tabletは、そういった気持ちを呼び起こすマシンなんです。夢が広がるというか、使い方のアイデアがどんどん広がる。こういうところに使えるとか、こういうお客様に使っていただきたいとか。プロフェッショナルな遊び心のあるマシンで、PC好きにはたまらないマシンだと思います。

 だからこそ、ユーザーの方々にもぜひ見ていただきたいし、触っていただきたい。大和研究所が作ると、タブレットPCはここまでのものになるのだということをぜひ実感していただきたい。私自身も、見て、触って、それを感じました。

 そうすれば、X41 Tabletの良さがご理解いただけると思います。

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