カラーマネジメントで画面にも写真本来の色を“画質”にこだわるデジカメユーザーのための液晶ディスプレイ術:後編(2/3 ページ)

» 2005年12月05日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]
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カラーマネジメントに対応したアプリケーションを使う

 画像を扱うアプリケーションにも、カラーマネジメントに対応したものが必要だ。最近はカラーマネジメント対応のフォトレタッチソフトや画像管理ソフトが増えてきているが、お勧めはやはりアドビシステムズの「Photoshop」シリーズだ。アマチュア向けの「Photoshop Elements」シリーズでも十分なので、ここでは最新版の「Photoshop Elements 4.0」を使いながら進めていく。

 Photoshop Elements 4.0は、アップグレード版なら税込み9240円(アドビストア価格)で購入できる。多くのグラフィック系ソフトからの乗り換え購入が可能なので、この機会に入手しておくとよいだろう。カラーマネジメント対応で機能面も折り紙つきと、購入して損はない。

 Photoshop Elements 4.0では、メニューバーの「編集」→「カラー設定」を実行する。「カラー設定」のダイアログで、「画面表示用に最適化」が選択されていることを確認するだけでよい(デフォルト設定)。この設定は、Photoshop Elements 4.0の作業モードをsRGB色空間にするものだ。

「カラー設定」ダイアログで「画面表示用に最適化」が選択されていることを確認する

 ちなみに、「プリント出力用に最適化」では、sRGB色空間よりも広い色域のAdobeRGB色空間が使われる。デジタル一眼レフなどのAdobeRGBモードで撮影した画像には、こちらの設定の方がよいだろう。ただし、一般的な液晶ディスプレイでは、AdobeRGB色空間で定義された色をすべて表示することはできない。AdobeRGB色空間は、プリンタを含めたカラーマネジメントで真価を発揮するので、今回は割愛する。

 PhotoshopシリーズやPhotoshop Elementsシリーズをインストールすると、Windows XPのコントロールパネルに「Adobe Gamma」が加わる。Adobe Gammaは、ディスプレイのガンマ調整とプロファイル作成を行うツールだ。

 もし手持ちの液晶ディスプレイにメーカー純正のプロファイルが付属していない場合は、Adobe Gammaを使ってガンマ調整とプロファイル作成を行うようにしよう。メーカー提供のプロファイルがある場合は、前述の手順でWindows XPにプロファイルを割り当てればよいため、この作業は不要である。

「Adobe Gamma」はディスプレイのガンマ調整とプロファイル作成が行なえるコントロールパネル。ユーザー所有の液晶ディスプレイにメーカー純正のプロファイルが付属していない場合は、これで調整・作成すればよいだろう

ワンランク上のカラーマネジメント その1:遮光フードを使う

 ここからは、多少のコストをかけつつも、費用対効果の大きい機材を3つ紹介しよう。すべてを導入しても、金額は6〜7万円くらいだ。これを高いと感じるか安いと感じるかは、カラーマネジメントに対する要求度でまったく異なる。無理なく投資できる機材だけでも、十分に効果的だ。

 人間の目に映る液晶ディスプレイの発色は、環境光に大きく影響される。先ほど「調整は室内を暗くして」と述べたのも、環境光の影響を排除するためだ。しかし、実際にPCを使うとき、部屋を真っ暗にして作業するのは現実的ではない。

 そこで「遮光フード」の登場だ。遮光フードを取り付けると、液晶ディスプレイの画面に対する環境光の影響を最小限に抑えられる。

 遮光フードの完成品は、安いものなら数千円で買えるが(画面サイズが大きいほど高価)、自作してしまうのも手だ。要するに、外光を遮断できれば市販品でなくてもよいのだ。段ボールや厚手のボール紙などを適当な大きさに切って、黒く塗ったり黒い模造紙や布などを貼るだけでよい。その際には、液晶ディスプレイの画面の光も反射しないように、つや消し黒にすればベターだ。形状は市販品を参考にしよう。弱粘着性の両面テープを使って液晶ディスプレイに貼り付ければ、液晶ディスプレイを汚さずに済む。

 ちなみに、ナナオでは現在、2006年1月15日までのキャンペーン期間中に「FlexScan S2410W」または「同S2110W」を購入し、キャンペーン期間内にオンラインユーザー登録を済ませた人にもれなくオリジナル遮光フードをプレゼントする「EIZOワイドモニター遮光フードプレゼントキャンペーン」を実施中だ。両製品の購入を検討している人は、この機に乗ってみるのもよいのではないだろうか。

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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日