タブレットPCによるレビューは、なぜホワイトカラーの生産性を大幅に向上できるのか?タブレットPCハンズオン(2):“目に見える業務効率化”の秘訣(1/3 ページ)

前回のリポートで「“勝てるプレゼン”の極意」を理解していただけたと思うが、タブレットPCの有効な活用事例はまだ他にもある。というより、これこそがタブレットPCを最も有効に活用できる事例と言ってもいいかもしれない。それが、文書のレビューである。

» 2005年12月08日 14時30分 公開
[平澤寿康,ITmedia]

就労時間の1割がレビュー作業に費やされている

 筆者のように記事の執筆を生業としていると、文書の校正や確認(いわゆるレビュー)は日常的な作業だし、その頻度も非常に多い。とはいえ、文書のレビューが日常的に行われているのは、出版関係やマスコミなどの業種に限ったことではない。新規プロジェクトのプレゼン資料を作成したり、各種報告書をまとめるときなど、どういった業種でも文書のレビューを行う機会が必ずあるはずだ。

 ある調査によると、事務系の労働者層、いわゆるホワイトカラーの年間就労時間に占める文書レビューの時間は、約1割にも達するそうである。出版業などであれば文書レビューは直接的な業務であるが、それ以外の多くの業種では、文書レビューは本来の業務とは直接関係のない作業となる。つまり、就労時間の1割もの時間が、本来の業務とは直接関係のない作業に費やされているのだ。しかしこれまで、文書レビューの効率を見直すような提案がなされることは、まったくと言っていいほどなかった。

 「会議にかけるムダな時間を削減して業務効率を改善しよう、という提案は、以前から盛んに行われています。しかし、レビューにかかる時間もかなり多くなっています。ですので、当然ここも改善しなければならない部分なのです」

 マイクロソフトWindows本部ビジネスWindows製品部シニアプロダクトマネージャーの飯島圭一氏はこのように語り、レビューを改善すれば業務時間を有効に活用できるようになり、生産性向上につながると強調する。そして、「レビュー改善のカギを握っているのがタブレットPCです。レビューにタブレットPCを利用すれば、従来の方法よりもはるかに効率が上がります」と言うのである。

レビュー作業の改善は、即生産性向上につながると力説するマイクロソフトWindows本部ビジネスWindows製品部シニアプロダクトマネージャーの飯島圭一氏

 それは本当なのか。タブレットPCを利用することで、いったいどこまで効率が上がるのか。実証調査の結果を交えつつ、紹介していこう。

これまでのレビュー作業はムダの固まり

 業務で文書のレビューを行う場合、どういった方法で行っているだろうか。おそらく現在では、文書のほとんどはパソコンを利用して作成されている。そして、そのようにして作成された文書データはメールなどに添付されて、作成者本人や上司、関連部署の担当者などの間を行き来しているだろう。

 デジタルデータとして作成され、メールなどでやり取りされている文書をレビューする場合、いったん紙にプリントし、そこに修正指示を書き込むなどして行っている、という人は、かなり多いのではないだろうか。あるいは、文書データがWordやExcel、PowerPointなどで作成されている場合は、それぞれのアプリケーションに用意されているコメント(吹き出し)などの校正支援機能を利用して、修正指示を行っている人もいるだろう。しかしどちらの方法にも、いろいろな問題が潜んでいる。

 まず、紙にプリントしてレビューを行う場合。もちろん、プリントに要する時間やレビューのためだけに使われる紙といったムダの問題もあるだろう。しかしそれよりも深刻なのは、修正指示を書き込んだ紙を戻す相手が近くにいない場合、それをどうやって相手に届けるのか、という問題だ。

 このようなケースでは、指示を書き込んだ紙をFAXで送信したり、郵送することが多いだろう。しかしFAXでは、わざわざ赤ペンで修正指示を入れても、FAX伝送でモノクロに変わってしまって目立たなくなったり、文字や図などが潰れて読み取れなくなったりしてうまく指示が相手に伝わらず、電話で何度も突き合わせを行わなくてはならなかった、ということがけっこうな頻度で発生する。また、FAXでは送信時に送信状を添付することが多いが、それの作成でもムダな時間や紙が消費されてしまっている。郵送では、1日以上の時間とメールやFAXに比べるとかなり高額な郵送料が浪費される。

受信したFAX用紙のサンプル。FAXによるレビューのやり取りでは、修正指示の書き込みが元の図版などと重なり合って読み取れなくなってしまうことも多い

 では、文書データが作成されたアプリケーションを使用し、そのソフトの校正支援機能を活用してレビューする場合はどうだろうか。こちらは、テキスト部分のみのレビューであれば非常に合理的で、ベストの方法と言えるかもしれない。

 ただ、Wordで作成された文書データには、テキストだけではなく、図やグラフなどの画像が挿入されていることも少なくない。PowerPointで作成された資料などの場合は、テキストよりも画像のほうが多いこともあるだろう。そのような文書データの画像に対して修正指示を入れる場合、文章でそれを的確に表現するのは非常に難しいし、相手にも伝わりにくい。例えば、画像の大きさやレイアウトの変更を言葉だけで指示することを考えると、それがいかに大変で、相手にとっても分かりにくいことが容易に想像つくだろう。また、レビューする側に各アプリケーションをきちんと取り扱えるスキルも求められるため、すべての人がこの方法を有効に活用できるわけでもない。

 しかし、タブレットPCを利用すれば、こういったさまざまな問題が簡単に解消できてしまうのだ。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日