画質の調整機能も豊富だ。ざっと列挙すると、輝度、ガンマ調整、色温度(4000〜10000Kまで500K単位、および9300Kの14段階)、色の濃さ、色合い(色相)、ゲイン(RGB個別)、6色調整(RGB/CMYの色相/彩度を個別調整)、などだ。表示内容に適したプリセット設定を切り替える「FineContrast」機能のモードは、「Text」、「Picture」、「Movie」、「sRGB」、「Custom」、「External」、「WindowMovie」の7種類。このうちExternalとWindowMovieは、専用のコントロールソフト「Screen Manager Pro for LCD」で利用する。
Externalは、ほかのディスプレイ機器や色空間をエミュレートするモードだ。Screen Manager Pro for LCDを使い、RGBと白色点のxy座標、ガンマ値を入力することで、異なる表示機器や色空間をL797でエミュレートする。ハード的に表示可能な色域を超えて再現できるわけではないが、L797はCRTディスプレイと同等の広い色再現域を備えているため、エミュレートできる対象範囲が広い。CRTディスプレイが混在しているグラフィック系オフィスなどで重宝するだろう。
WindowMovieは、デスクトップ上で動画をウィンドウ表示するときに、動画ウィンドウだけを高輝度で表示するモードだ。日常のPC作業では、L797を最大輝度で使うと明るすぎて目が疲れるため、だいたい50%以下まで落として使うことが多くなるはずだ。しかしこの状態でも、動画を再生すると自動的に輝度を高くし、見やすくしてくれる。
また、Screen Manager Pro for LCDの「Auto FineContrast」機能を有効にして、あらかじめアプリケーションと画面モードを関連付けておくと、そのアプリケーションが起動したときに画面モードが自動的に切り替わる。例えば、フォトレタッチソフトはsRGBモード、DVD再生ソフトはMovieモード、ワープロや表計算などはTextモードに設定しておくと便利だ。
前面の操作ボタン類とOSDメニューは、ほかのモデルと共通だ。入力系統を切り替える「SIGNAL」ボタン、FineContrastの画面モードをローテーションする「MODE」ボタン、アナログ接続時の自動調整を行う「AUTO」ボタン、OSDメニューの呼び出しや設定を決定する「ENTER」ボタン、OSDメニューの項目を移動する上/下/左/右ボタンが並ぶ。「MODE」ボタンで画面モードを表示したときに、上/下/左/右ボタンで輝度/色温度/ガンマを直接変更できる点もよい。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年3月31日