映像性能に優れたナナオ初の光沢液晶ディスプレイ──FlexScan M1700C-R/M1900C-R(3/3 ページ)

» 2006年02月01日 00時00分 公開
[ITmedia]
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 OSDの調整項目の設定とFineContrastモードは、デジタル入力とアナログ入力で個別に記憶される。この機能があるのとないのとでは、2系統入力の使い勝手がまるで違う。当然、個別に記憶してくれる製品のほうがはるかに使いやすい。バックライトの輝度を常時モニタリングして補正することで、周囲の温度や時間経過による画面の明るさの変動を最小限に抑える同社独自の自動調光機能も搭載している。この辺も、一般的な低価格モデルと異なる点だ。

 なお、PC本体とのUSB接続はできない。FlexScanシリーズのミドルレンジ以上のモデルでは、PCから画質調整をしたり、アプリケーションに応じてFineContrastモードを自動的に切り替えるユーティリティの「ScreenManager Pro for LCD」が使えるのだが、M1900C-RとM1700C-Rは非対応だ。

TN系液晶パネルとしては出色の画質

 画質については、sRGBモードの輝度100%でチェックした。M1900C-RもM1700C-RもTN系の液晶パネルということで、視野角による色の変化が大きい。特に上下方向が顕著で、視点を少し上下しただけで色の濃さが変わる。画面の中央に正対して見ても(視聴距離は約50センチ)、画面の上部と下部でそれなりの輝度差が見られた。

 発色自体は光沢パネルなので、非常に鮮やかでクリアだ。シャドウ側のトーンを若干持ち上げているように感じたが、黒が浮いているわけではない。

 M1900C-RとM1700C-Rの最大発色数の違いは、一見する限りまったく感じられない。とはいえ、詳細に比較すると、高彩度領域の階調はM1900C-Rのほうが滑らかに表示されている(非常に小さな差ではあるが)。両モデルとも、このクラスの製品としては階調の表現力は優秀な部類だ。コントラストを上げて見かけの印象度を高めているような安価な製品とは、雲泥の差である。

 映像の表示性能は、M1900C-RもM1700C-Rも応答速度(黒→白→黒)が8msと高速なので、動きの速い映像もキリッとしている。中間階調の応答速度は非公開となっているが、実際に試用した限りでは、残像感が気になるような場面は特に見られなかった。なお、中間階調の応答速度を高めるオーバードライブ回路は搭載していない。

一般コンシューマー向けのグッドバランスモデル

 これまでのFlexScanシリーズは、一般コンシューマーを主要ターゲットにした低価格モデルの層が薄かった。今回紹介したM1900C-RとM1700C-Rは、光沢パネルに高速応答と、現在のトレンドをとらえた製品と言える。他社製の売れ筋低価格モデルに比べるとやや高価なのは否めないが、このクラスとしてはかなり高画質であり、2系統のPC入力や豊富なOSD調整項目などを考えれば、納得できる価格だろう。

 迷う点を挙げるとすれば、視野角による色変化の大きさだ。用途やニーズによって異なるところだが、画像編集など「色」を重視する作業にはあまり向いていない(「色」に対してどの程度の厳密さを求めるかによるが)。この辺は、低価格とのトレードオフというところだろうか。

 また、長時間にわたって画面を注視するような作業が多い人は、光沢タイプだと外光の映り込みなどでどうしても目の疲れが大きくなってしまうため、ノングレアタイプの「M1900-R」や「M1700-R」も検討してみたい。価格も光沢タイプに比べてそれぞれ5000円割安だ。

 一方、映像/静止画の鑑賞やWebブラウズなど、作業ではなく「眺める」用途がメインなら、光沢タイプが適している。

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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日