静止画も映像もアクションゲームも。個人用途に最適なオールラウンド液晶ディスプレイ──「FlexScan M1950-R」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年02月28日 00時00分 公開
[ITmedia]
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 OSDの画質調整機能も豊富だ。ひととおり挙げておくと、輝度、ガンマ調整、色温度(4000K〜10000Kまで500K単位、および9300K)、色の濃さ、色合い、ゲイン(RGB個別)、C-Boosterとなる。これまで何度も述べているが、このうち手動で調整するのは、通常は輝度と色温度くらいだ。それ以外の項目を目視できちんと調整するのはまず不可能で、下手にいじると画質の低下を招く。

 表示目的に応じたプリセット設定「FineContrast」のモード種類は、「Custom」、「sRGB」、「Text」、「Picture」、「Movie」の5通りだ。すべての画質調整項目を変更できるのはCustomモードで、例えばsRGBモードだと輝度のみ変更可能となる。FineContrastのモードや画質調整項目の設定は、アナログとデジタルの入力系統ごとにきちんと記憶される。

 操作ボタンは本体前面下部に横一列で並ぶ。左から順に、「SIGNAL」(アナログ/デジタルの入力切り替え)、「MODE」(FineContrastのモード切り替え)、「AUTO」(アナログ入力時の自動調整)、「ENTER」(OSDメニューの呼び出しと決定)、上/下/左/右ボタン(OSDメニューのカーソル移動)、「BrightRegulator」(有効/無効の切り替え)、電源ボタンである。OSDメニューを開かなくても、上/下ボタンで輝度、左/右ボタンでスピーカー音量をダイレクトに変更可能だ。

操作ボタン部分のアップ 液晶パネルの下部に横一列に並べられた操作ボタン。左から順に、「SIGNAL」、「MODE」、「AUTO」、「ENTER」、上/下/左/右ボタン、「BrightRegulator」、電源ボタン

安心して視聴できる画質と音質

 M1950-Rの画質は、sRGBモードの輝度100%でチェックした。第一印象としては、19インチサイズの割には画面全体で輝度ムラをほとんど感じさせない点に好感を持った。一般的な視聴距離(画面から50センチ前後)で正対して眺める限り、四隅の色変化もあまり気にならない。

 階調性も十分に満足できるものだ。中間調から暗部にかけてが微妙に明るくなっているように感じたが、黒から白のグラデーションを表示してみたところ、トーンジャンプの少なさは過去に紹介したS-IPSパネル採用のグラフィックスプロ向け上位モデル「FlexScan L797」に迫るレベルだった。M1950-Rも内部10ビットガンマ補正を搭載しているため、シャドウからハイライトまでスムーズな階調性が得られている。コントラスト比が1000:1と高いため、静止画の表示も見栄えがよい。

 ただし輝度に関しては、通常使用なら20〜30%くらいに下げて使うのがベストだ。100%(280カンデラ/平方メートル)だと、明るすぎて目が疲れる。

 動画の表示性能は、M190の優秀さをそのまま受け継いでいる。12msから8msへと高速化した中間階調の応答速度を目視で感じとれるかは微妙だが、映像コンテンツを見たときの残像感やぼんやり感は気にならないだろう。アクションゲームについては、求めるレベルや感じ方は人それぞれなので一概には言えない。とは言うものの、エッジのシャープさは多くの場面で保たれており、ぬるぬるゲーマーの筆者にとってはまったく不満はなかった。

 続いて音質だが、少なくとも液晶ディスプレイの内蔵スピーカーとしては、トップクラスなのは間違いない。SRS WOWのサラウンド効果もなかなか快適だ。出力が2W+2Wなので大音量にするとどうしてもパワー不足を感じるが、個人が一般的な視聴距離(画面から50センチ前後)で聞く分は、そこまでボリュームを上げることはないだろう。

スピーカー部分のアップ 液晶パネルの左右には、SRS WOW対応のサラウンドスピーカーを搭載する

 なお、付属ツールの「ScreenManager Pro for LCD」を使うと、M1950-Rの画質調整や音質調整をPCから行える。画質調整項目は先述したOSDと同じで、調整内容を登録していつでも呼び出せるので便利だ。音質調整は高音と低音のほか、SRS WOWのパラメータも調整できる(詳しくはM190/M170のレビュー記事を参照)。また、起動するアプリケーションに応じて、FineContrastモードを自動的に切り替えるAoto FineContrast機能もある。

「ScreenManager Pro for LCD」のサウンド調整画面。SRS WOWサラウンドは3つのパラメータで構成され、SRSは水平方向の疑似サラウンド、FOCUSは垂直方向の疑似サラウンド、TruBassは重低音の疑似サラウンドを調整する

個人用途に最適なオールラウンダー

 従来モデルのM190/M170がそうだったように、M1950-Rも幅広い用途で快適に使えるオールラウンダーだ。静止画と動画の表示性能はともに高いレベルにあり、比較的高音質なサラウンドスピーカーを内蔵することから、特に個人用途に最適な製品に仕上がっている。

 PCを多目的に利用しているユーザーにとって、M1950-Rは液晶ディスプレイ選びの最右翼となるだろう。

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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日