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» 2006年04月10日 16時00分 公開

ユーザー事例:最先端のゲーム開発に見るディスプレイ環境の実態(前編)──スクウェア・エニックス (1/2)

大ヒットタイトルを続々と生み出す屈指のデジタルコンテンツプロバイダ、スクウェア・エニックス。そこでは現在、クリエイターのディスプレイ環境が大型CRTから液晶へと移行が進行中だ。ナナオの24インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2410W」が選ばれた理由とその結果、ゲーム開発におけるディスプレイ環境の実態を2回にわたってお届けする。

[林利明(リアクション),PR/ITmedia]
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開発に使えるディスプレイがなくなる!?

 スクウェア・エニックスといえば、「ファイナルファンタジー」シリーズや「ドラゴンクエスト」シリーズなどでお馴染みの、世界有数のデジタルコンテンツプロバイダだ。今回は、同社のゲームクリエイターが開発に使用しているディスプレイ環境にフォーカスしてお話を伺った。

話をお伺いした同社技術部インフォメーションテクノロジーグループ システムエンジニア 清水康之氏

同社技術部インフォメーションテクノロジーグループ チーフコーディネータ 小峰隆由貴氏

 ゲーム開発は、ディスプレイの性能や品質に対して、もっとも厳しい目が向けられる分野の1つだ。そこでは、画質はもちろん、長期間の過酷な使用にも耐える頑丈さなど、製品の全体的な完成度が問われる。

 同社の開発環境は、20インチ以上の大型CRTディスプレイが中心だ。しかし昨年後半からは、液晶ディスプレイへの置き換えを進めている。

 ゲーム開発環境のシステム構築を担当する同社技術部インフォメーションテクノロジーグループ システムエンジニアの清水康之氏とチーフコーディネータの小峰隆由貴氏によると、ゲーム開発におけるディスプレイ環境の最重要ポイントは、色の視野角、階調性、応答速度だという。なるほど、どれも現在の液晶ディスプレイが苦手とする要素だ。色の視野角とは、画面を見る角度によって、色がどれくらい変わるかを意味する。階調性は、細かい色の違いをどれだけきちんと表示できるかだ。応答速度は改めて述べるまでもないだろう。

 クリエイターの中でも、おもにテクスチャといったグラフィック担当者は色視野角と階調性を重視し、3Dモーションなどの映像担当者は応答速度を重視する。しかし、色視野角、階調性、応答速度という3つの要素を、同社のクリエイターが求めるレベルで同時に満たす液晶ディスプレイは、今のところ存在しないという。

 ではなぜ、CRTディスプレイから液晶ディスプレイへの置き換えを始めたのだろうか。

 一言でいうなら、「必要に迫られて」だという。経年劣化で画質が落ち、開発業務に適さなくなったCRTをリプレースしようとしても、現在では高品質な大型CRTは絶滅に近い。可能ならCRTを使い続けたいそうだが、CRT向けのブラウン管も今ではほとんど生産されておらず、コスト面や選択肢、将来性などをトータルに考えると、タイミング的にも液晶ディスプレイに移行せざるを得なかったという。

 クリエイターがCRTディスプレイにこだわる理由は、やはり画質だ。液晶ディスプレイの画質はCRTを超えたとも言われているが、クリエイターの尺度は一般コンシューマーやビジネスユーザーとは次元が違う。先述したように、色視野角、階調性、応答速度のすべてを高い次元で満たす必要があるのだ。


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