かゆいところに手が届く多機能スキャンユーティリティ「CapturePerfect」機能紹介編(2/2 ページ)

» 2006年05月10日 00時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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 まずはCapturePerfectが持つ豊富な機能を確認していくことにしよう。

 CapturePerfectの最新版バージョン3.0は、大きく3つの作業に対応している。スキャンした画像を指定したフォルダ内に自動的に格納していく機能、ダイレクトに印刷する機能、メールソフトに添付する機能だ。それぞれについて、TIFF、JPEG、BMPといった画像フォーマットで保存が可能なほか、PDFのダイレクトな生成を行うことができる。さらに、日本語対応OCRエンジンを内蔵しているため、スキャンした画像から文字を自動的に抽出し、検索用の透明テキストをPDF内に埋め込んでおくことが可能だ。

CapturePerfectの画面 標準添付の多機能スキャンユーティリティ「CapturePerfect 3.0」を利用すれば、スキャンした電子文書をさまざまな用途・目的に活用できる

 もっともこうした機能は、単純に額面だけ見れば、ほとんどのドキュメントスキャナが持っている。OCRを活用したテキストデータの埋め込みも、決して珍しい機能ではない。CapturePerfectが優れているのは、こうしたドキュメントスキャナにとって必要不可欠な機能のひとつひとつが、実に丁寧に、実用性を重視して作り込まれ、“使える”機能になっているところだ。

 たとえば独自開発のPDF生成エンジンは高圧縮モードを備えており、一般的なPDFの約1/6程度のサイズまで、画質をほとんど落とさずに圧縮できる。モノクロ2値で読み取ったPDFと24ビットカラーで読み取ったPDFを比較してみたが、モノクロ/カラー混在のビジネス文書の場合、24ビットカラー時でも1.8〜2倍程度にしかデータが増加しなかった。

 カラーでなければ判別できない図やグラフを、保管サイズをさほど意識することなくフルカラーで読めるのはありがたい。もちろん、高品質なカラー画像をそのまま残したい場合は、通常のPDFも生成可能だ。

 加えて、PDF生成とOCR処理が実に高速。通常、OCR処理は、文書のスキャンが終了したあとにまとめて文字認識が実行される。ところが、CapturePerfectの場合は高速処理が可能で、バックグラウンドでスキャン処理と並行して文字認識が行われるため、スキャンが終了する頃にはOCR処理もほとんど終わっているのである。ユーザーから見ると、ほとんどリアルタイムで文字認識が行われているようだ。

 感覚的には、CapturePerfectを既定で“OCRあり”に設定しておけば、ほとんどのユーザーがOCR処理が行われていることに気付くことなく、いつの間にかテキスト付きPDFが作成されているという印象である。

 これまで複数のアプリケーションを組み合わせたソリューションはあったが、高速・高性能な各種機能をひとつにまとめたワンストップのソリューションは存在しなかった。スキャナハードウェア自身の信頼性や完成度の高さは、最近の製品であればいわば“当たり前”と言える部分もあるが、かゆいところに手が届くCapturePerfectというソフトウェアが存在することによって、製品としての価値が大幅に高まっているのである。

既存のワークフローに自然に溶け込める柔軟性

 このように、電子ファイリングのための文書取り込みツールとして、強力な高圧縮PDFの作成や文字認識、それにそれぞれの機能の超高速処理といったアドバンテージを持つCapturePerfectだが、もちろん、業務用のドキュメントスキャナとしての基本は、しっかりと押さえられている。

 たとえば、表題が書かれる位置を指定しておくことで、OCR処理でファイル名を自動的に生成し、特定フォルダにスキャンデータを収めるといった設定も簡単に行える。フォルダ監視プログラムと連携させれば、読み取った伝票を自動的に次のワークフローに送るといった処理も、特別なアプリケーションを書かずに実現できる。

CapturePerfectの画面 OCR処理をかける位置をあらかじめ指定しておくことで、認識した文字をファイル名に設定して、指定したフォルダに保存することができる

 また、読み取った情報をCSVデータとして吐き出すことも可能で、同様にフォルダ監視を行い、CSVデータからデータベースに必要な項目を自動的に登録するといった処理も簡単に行える。

 しかもCapturePerfectの機能は、単独のソフトウェアに閉じたものではない。

 ソフトウェア開発キット「CapturePerfect SDK」として、キヤノンがCapturePerfect 3.0で利用可能なほとんどすべての機能について、呼び出し関数を整備しているためだ(詳細は「CapturePerfect SDK」情報ページを参照)。価格も3カ月のサポート付きで6万4800円と、30万円程度の開発キットが主流の中では破格の値付けだ。

 CapturePerfect SDKの優れた点は、機能性と価格設定だけではない。ライセンス形態が柔軟で、ハイパフォーマンス。さらにVisual Basicでの利用を考慮されていることなど、多くの長所がある。

 CapturePerfect SDKを用いて作成したアプリケーションは、ライセンスフリーで自由に頒布できる。CapturePerfectには、ISISを用いた高速スキャンのAPI、PDF生成、OCR処理などの機能が含まれていることを考えれば、このSDKがいかに利用価値の高いものかがわかるだろう。

 SDK内にはCコンパイラ向けのヘッダとサンプルコードが含まれているだけでなく、Visual Basic 6.0向けにも豊富なコメントが記述されたサンプルコードが添付されており、開発着手のハードルが低いことも利点だ。

 ではどこまで簡単にカスタムアプリケーションを構築できるのか。

 次回は実際にCapturePerfect SDKとVisual Basicを用い、実際のアプリケーションを書いてみることにしよう。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月9日