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レンズメーカーが作った意欲作――シグマ SD10(1/3 ページ)

デジタル一眼レフカメラ「SD10」がレンズメーカー大手のシグマから発売された。前機種「SD9」の登場から約1年。ユニークなCMOSイメージセンサー「Foveon X3」の採用で話題となった前機種だが、後継機はどのような進化を遂げたのだろうか?

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1画素でフルカラーを取り込めるCMOSイメージセンサーを搭載

 「SD10」は、撮像素子「Foveon X3ダイレクトイメージセンサー」を搭載したシグマ製レンズ交換式デジタル一眼レフカメラの第2弾である。まず、米Foveon社が開発したこのユニークなCMOSイメージセンサー、Foveon X3について説明しておきたい。

 一般的なデジカメの撮像素子は、画素の表面にカラーフィルタを載せて光のカラー感度を得ている。1画素に適用されるカラーフィルタは1種類。つまりRGB原色フィルタであれば、1画素に対して赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかを割り当てているのである。割り当て比率は、ベイヤー配列方式の場合は、赤と青がそれぞれ25%、緑は50%である。つまり、たとえばCCD自体の画素数は600万だとしても、赤と青はそれぞれ150万画素、緑は300万画素分の情報量しか取り込めず、不足する色要素は補間処理することによってCCDと同じ画素数のフルカラー画像を作り出しているのである。

 これに対し、Foveon X3は赤、緑、青の3層のピクセルセンサーを一体化しており、1画素でフルカラーの情報を取り込むことができる。このため、イメージセンサーの有効画素数は343万画素(2268×1512ピクセル)ながら、各画素が3層分(×3)の色情報を取り込めるため、約1030万画素に相当する解像力を持つのである。さらに、補間処理による疑色ノイズが発生しないため、クリアで鮮明な色を再現できるという特徴もある。

 Foveon X3は前機種のSD9にも搭載されていた。今回のSD10では搭載CMOSイメージセンサーが600万画素×3層に発展することが期待されたが、それは成らなかった。当面はSD9と併売されるとのことだ。進化した主なポイントは次の通りである。

  • Foveon X3の画質と感度の向上
  • ISO感度が標準モードで800相当、拡張モードで1600相当まで設定できるようになった
  • グリップ部とボディ底面の2カ所に必要だったバッテリーがボディ底面のみに一元化された

グリップが握りやすい形状になった

 このほか、露出補正単位が1/2から1/3EVステップに変更されたり、オートフォーカス精度が向上するといった細かな改良が施されている。しかし多くのスペックは従来通りであるため、マイナーなモデルチェンジ、という評価が多数派のようである。

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