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SD採用で“真のウェアラブル機”に――コンパクトニコン「COOLPIX 3700」(1/3 ページ)

デジカメには一貫してコンパクトフラッシュを使い続けてきたニコンが、初めてSDメモリーカードを採用したことで話題となったコンパクト機「COOLPIX 3700」。その実力をレビューで探ってみた。

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 ニコンが昨年12月に発表した「COOLPIX 3700」は、同社が初めてSDメモリーカードを採用した注目機だ。より小型な記録メディアを選択することで同社コンパクト機の新境地を切り拓いたCOOLPIX 3700の実力を、レビューで探ってみた。

 小型でスタイリッシュな「COOLPIX 3700」

 同社はこれまで、デジカメの記録メディアには一貫してコンパクトフラッシュ(CF)を使い続けてきた。他の記録メディアと比較して大きなCFのメディアサイズが、同社デジカメのボディ小型化を阻んでいたことは否めない。同社コンパクト機ではこれまで「ちゃんと持てて、ちゃんと撮れる」をキャッチフレーズにボディのグリップの良さを前面に押し出すことでそのデメリットがメリットであるとアピールしていたが、より小型化を望むユーザーには訴求力が弱かった。

 COOLPIX 3700では、同社初のSDメモリーカードを採用。バッテリーは専用リチウムイオン充電池のほか、Duracell製デジカメ用角形リチウム1次電池「デュラセル CP1」が使える

 近年顕著となっているコンパクトデジカメの小型化の流れは、CFからSDへというメディア移行を確実に促している。同じようにCFを採用し続けてきたライバルのキヤノンも、昨年5月に「IXY DIGITAL 30」で初のSDメモリーカード採用機を投入し、続いて同年9月に発表した「IXY DIGITAL L」でスタイリッシュな超小型メタルボディを提案するなど、小型化に有利なSDメモリーカードのメリットを十分に生かした製品を作り上げている。

 「記録メディアを変更する」ということは、メーカーブランドそのものに多くのファンを有するカメラメーカーにとって苦渋の決断だ。従来機とのメディア互換性を犠牲にしたCOOLPIX 3700は、代わりにシリーズ史上最小・最軽量でスタイリッシュなボディを手に入れた。

 シリーズ史上最小・最軽量でスタイリッシュなボディ

 グリップ部のないスクエアな本体は、サイズが95.5(幅)×50(高さ)×31(奥行き)ミリと非常にコンパクト。レンズを左側に寄せた横長ボディは、ソニーのサイバーショットPシリーズや富士写真フイルムのFinePix F700とよく似たスタイルだ。質感の高いメタルボディはスタイリッシュさとともに剛性感も演出している。金属製ボディによって、重さが130グラムと同サイズのコンパクトデジカメと比べるとやや重くなってはいるが、その重厚な質感がユーザーの“所有する喜び”を十分に満たしている。

 方向キーと決定キーを兼ねたスティック状のマルチセレクターや使いやすいモードダイヤル、ズーム/再生/モニター/削除/メニューと独立した機能ボタンを装備するなど、小型ボディながらも操作系には工夫が見られる。さらに小型ボディの恩恵で、これらの操作が右手の親指1本で可能な点も便利だ。

 モードダイヤルや独立した各機能ボタンは、親指1本で操作可能だ
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