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EOS Kiss Digitalの予備電池に関する一考察 その3――安価なサードパーティ製について考える(2/3 ページ)

さてそれではいよいよ「サードパーティ製電池」である。純正より安く、コストパフォーマンスがよくなければ誰も買わないだろう。ではそのパフォーマンスはどうなのだろう。

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容量スペックはアテにならず?

 計測は今までと同様、純正充電器「CB-5L」でチャージランプ連続点灯後、最低一時間放置し、秋月電子のK-12で約500mAの定電流放電を行い、約5.5ボルトのカットオフまでの時間(t1)と実測にもとづくEOS Kiss Digitalの終了電圧までの時間(t2)を測った。

 結果は表3にまとめてある。定電流で約500mAを流しているので時間(t:単位/分)に8+1/3をかけると換算容量を求めることができる。加えて、実測によるEOS Kiss Digitalのバッテリー警告表示(開放7.6ボルト程度)に基づく電圧(放電による電圧降下を見込んで7.5ボルト)までの時間(t3)も示している。これによれば、バッテリー警告はおおよそフルチャージの半分程度で表示されることが分かるだろう。

 ちなみにサービスセンターに問い合わせたところでは「バッテリーの電圧降下を元に表示しているため、警告表示での残量は明確ではない」とのことだった。

表3■バッテリーの定電流放電(約500mA)における放電時間(t1時間順ソート)

型番 t1 t2 t3 公称容量(mAh)
BP-511 128 104 50 1100
PL511-W851 147 115 54 1300
C-#1007 149 128 65 1100
BP-511A 156 131 66 1390
C-#1015 167 146 76 1500
DBP-CN3 178 148 71 1100
PC Adhoc Janan 178 153 69 1250
BB-CN511 184 138 62 1100

t1:5.5ボルトカットオフ、または安全装置作動までの時間

t2:7.20ボルトまでの時間

t3:7.50ボルトまでの時間


グラフ1■500mA定電流放電時の電圧変動グラフ。赤い枠部分がグラフ2

グラフ2■チェックポイント近辺の拡大グラフ

 なお、純正電池の放電の際は、公称容量よりも多少低い数値が出ていた。これは公称容量の放電時よりも電流値が大きいためだ。今回はPL511-W851とC-#1015以外は、公称容量以上の実計測容量となっている。

 容量が公称値あるいは初期保証値というのはわかるが、実にアバウトというかあまりアテにならないという結果になったのには少々首をかしげざるを得ない。もっとも実測値が大きい「BB-CN511」にいたっては、換算すると公称値の1.5倍もの容量があり、サービス過剰なのでは?と言いたくなってしまう(あるいはセルのバラつきで大当たりだったのかもしれないが)。

 見方を変えて、EOS Kiss Digitalで使える容量ベース(t2から換算した容量)で確認してみると、先のBB-CN511は定格より少々上という結果となっている。この「(厳しい)現実的定格」ベースで見ると、C-#1007、BB-CN511、DB-PCN3、PC Adhoc Janan製がスペック並みかそれ以上であった。

 サードパーティ電池がどのような基準の下に公称容量を決めているのかは判らないのだが、後者の実使用容量ベースで表記しているとすれば、実に良心的な値だ。

 もちろん、この値は新品時でかつ購入した電池の実測値であり、購入時期やバラつきがあることが考えられる。メーカーに聞いたところ「初期は多めとなっている」とのことだった。

保護回路は搭載されているのか

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