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AMD Geode NXとTYANの対応マザーが来年春にリテール販売を予定マザーボード

Pentium MやC3といったノートPC向けや組み込み向けのCPUを利用するマザーボードが、静音性能を重視するユーザーに注目されている。AMDから発表された組み込み用のGeode NXも春にはその仲間入りをするが、リテール市場へ出荷は「予想外」のことではなく「予定された」行動のようだ。

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 AMDが発表しているGeodeの新しいラインアップ「Geode NX」は、組み込み利用を想定した低消費電力タイプのプロセッサ。12月15日にマザーボードベンダーのTYANが、Geode NXに対応したマザーボード「S2498」を発表した。


TYAN「S2498」のサンプルボードはVIA KM400とVT8237Rを搭載する

 開発のきっかけは「医療施設に納入するVOD用システム」ということになっているが、AMDとTYANはGeodeシリーズの本来のターゲットである「組み込みシステム」以外に、最初からエンドユーザー向けのリテール販売も想定している。目標はズバリ、Pentium MやC3で最近注目を集めている「ファンレス」「静音」PC向けだ。

 Geode NXは、Athlonのモバイル向けラインアップであるMobile Athlon XP-MPがベース。Thoroughbredコアを採用して0.13マイクロプロセス、L2キャッシュ容量256Kバイト。Socket Aに実装され、PowerNow!に3DNow!、SSEをサポートとスペックや機能もMobile Athlon XP-MPとほぼ同じになっている。

 まったく同じプロセッサなのに「Athlon」というブランドで販売しない理由についてAMDは「組み込みプロセッサの市場ではGeodeブランドが浸透しているが、AthlonもAMDのブランドとして定着している。組み込みプロセッサのクライアントに混乱が起きないようにGeodeに“リブランド”した」と説明している。

 すでにニュースで報じられたように、Geode NXのラインアップは「NX1500」(動作クロック1GHz)「NX1250」(同667MHz)「NX1750」(同1.4GHz)の3種類が存在する。このうちNX1500とNX1250が「ファンレス」システムを想定している。


Geode NXのラインアップ。2006年にはNX1750の上位バージョン「NX HSL」とNX1500の後継「NX HSL」が予定されている

 TYANのS2498はNX1500とNX1750に対応する。チップセットは統合型のVIA KM400にVT8237(サンプルボードにはRAIDに対応できるVT8237Rが搭載されていた)の組み合わせ。Flex ATXの対応してサイズは228×190ミリ。

 病院のベッド脇にVODシステムとしてすでに設置されている「国内大手メーカー製PC」があまりにもうるさくて不評ゆえに、Geode NXと組み合わせた「完全無音VODシステム」として大量に納入される予定だが、それ以外に、最初からリテール販売を想定して生産される。

 Geode NXとS2498のシステムでAMDが狙うのが、日本で注目されているPentium MやC3の「静音PC」の市場だ。ちなみに、Geode NXに採用されたモデルナンバーの基準についてAMDは「パフォーマンスが同等になるC3のラインアップ」と明解に答えている。

 現在予定している出荷開始時期は、来年の2月後半から3月あたり。TYANの発表資料ではS2498の販売想定価格は2万円前後となっているが、TYANによると「CPUとマザーで3万5000円あたりを狙いたい。少なくとも4万円は切るようにする」と述べている。

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