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時代は“クロック”より“スレッド”性能を欲している─インテル「Pentium D&Intel 945」発表会

2004年にPCI Expressを立ち上げたインテルは2005年にクライアントPCベースでマルチコアCPUの普及を目指す。その主力が今回発表された普及価格帯のPentium D。Centrinoで成功した「プラットフォーム志向」をデスクトップでも展開する。

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 インテルが「Pentium D」とチップセット「Intel 945ファミリー」の発表にあわせて行った説明会には、同社代表取締役共同社長の吉田和正氏と同IA技術本部本部長の阿部剛士氏が出席。吉田氏は「シリコンだけではなく、プラットフォームでムーアの法則を実現していく」とデスクトップ・プラットフォームによるPCの進化をアピール。

 「プロセッサは来年(2006年)の第3四半期に65ナノ(メートル)プロセスに移行する。しかし、シリコンが進化するだけではダメ。チップセットやソフトウェア、ネットワークを使うためのインフラなども進化することで、PCの新しい利用形態を加速させていく」(吉田氏)

 今回発表されたPentium D、Intel 945ファミリー、そして同日発表されたPentium 4 670とはじめとするPentium 4 6xxシリーズは、インテルがデスクトップ向けプラットフォームとして訴求する「デジタルホームプラットフォーム」(開発コード名Anchor Creek)と「デジタルオフィスプラットフォーム」(開発コード名Lyndon)を構成する要素となる。


インテルが提唱する「デジタルホームプラットフォーム」「デジタルオフィスプラットフォーム」の構成要素

 「ハイエンドはPentium ExtremeEdition、ボリュームゾーンを意識したPentium D」と吉田氏が述べるように、インテルはPentium Dをメインストリーム向けのマルチコアCPUと位置付けている。

 阿部氏はPentium DをはじめとするマルチコアCPUについて「これからは、“クロック”による性能向上から“スレッド”レベルで性能向上が求められる」と表現。「多数のユーザーが多数のアプリケーションを動かす時代には、クロックではなくスレッドレベルで性能を向上させる必要がある。負荷が増えてもパフォーマンスが落ちないためにはマルチコアCPUが1つの解になる」(阿部氏)


インテルが示したPentium Dと従来のPentium 4とのパフォーマンス比較データ


説明会の会場で行われた、Pentium D 840とPentium 4 540によるパフォーマンス比較。動作クロックが同じ3.20GHzのCPUを使って、SD動画からAVC/H.264へトランスコード処理にかかる時間を比較。Pentium 4 540で75秒かかった処理をPentium D 840システムは37秒で終了

 吉田氏はロードマップを示しながら「現在15に渡るマルチコアCPUの開発を積極的に推進している」と、マルチコアCPUにかける意気込みをアピール。インテルの計画では2007年までにサーバでマルチコアCPUに100%移行し、デスクトップ、モバイルPCでも90%を超えるシステムでマルチコアCPUが搭載されることを目指している。


インテルが示したCPUの開発ロードマップ。デスクトップとモバイルでシングルコアCPUのラインが残っているが「高クロックへの進化ではなく低消費電力、小型化が求められる特定用途のCPUなるだろう」(吉田氏)

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