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複合機の最新モデルとおすすめ機種PC USERが注目する(1/4 ページ)

満を持して投入した、最新プリントエンジンを搭載する最上位モデルからお手頃価格のエントリー機まで、複合機全4モデルをレビュー。

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この冬おすすめのプリンター/スキャナー複合機

 一昨年、昨年とにぎわいを見せた複合機市場だが、今年はどうなるのだろうか。少なくともメーカーはかなり熱くなっているようで、露骨なまでに複合機寄りの姿勢を見せている。PM-A850で現在の流れを生み出したエプソンは、今年もフラッグシップが複合機という布陣を取ってきた。昨年は様子見だったキヤノンも、今年は本格的に複合機に取り組んでいる。変わらないのは古くから複合機に注力していた日本HPくらいだ。

 さて、そうした中でのベスト選定だが、ここに来てハタと気が付いたことがある。「複合機の選定基準とは何か?」ということだ。これはもう、人それぞれというしかない。現在の製品は多様化しすぎて、選定の基準を決めかねるのだ。イメージングデバイスなので画質が重要なのは確かだが、明確な差が見られた昨年までならばまだしも、4色機にいたるまで各社が本気を出してきた今年は、判断のよりどころになるほどの差がない。

 それでも、比較的わかりやすいのは色設計だが、今年はエプソンとキヤノンの2大メーカーがDPE層までも取り込もうとして、混迷しているように思える。特にダイレクト印刷は、モデルによる色調の開きが大きい。しかも、自動補正が効きすぎるのか、データによって色調が変わるので機体の個性がつかみにくい。主にDPE層をターゲットにしたダイレクト印刷は、メーカーカラーで統一するのが最上だろう。せっかく打ち出した色設計が、機種を選ぶための支柱となりえていないのだ。

 それに対し、最も明快なコンセプトを感じたのはHP Photosmart 3210である。「多機能を使いこなすために、できるだけユーザーの負担を減らす」というのは旧来からの日本HPのスタンスだが、今年は新型エンジンの導入により、それが1つの結実を迎えた感がある。

快適な操作感と色設計のよさが光るHP Photosmart 3210

 3210の真価とは良好な操作感にある。日本HPが従来より誇っていた高いハンドリング性に、新型エンジンの印刷速度が加味されて、ほかでは味わえない快適さを実現した。もちろん、いくら快適であっても出力結果が納得できなければ話にはならない。この点、3210は粒状感や階調表現力で、キヤノン、エプソンの上位機に引けを取るのは確かだ。しかし、色設計のよさがこれをフォローする。従来から格段の進歩をとげており、ダイレクト、PC接続時とも印象のよい出力が得られた。

 何より大事なのは、自動補正の失敗と思われるプリントが少ないことだ。アルゴリズムが優れているというよりは、シンプルなためにゆらぎが少ないという印象である。色をいじりすぎて印刷にリスクを持たせるよりも、中庸を尊んでローリスクにするほうが好感が持てる。サクサク印刷できて、失敗も少ない。これこそがHP Photosmart 3210の魅力である。そして、何よりも大きな説得力を持つのが、25,830円という本体価格だ。さらにランニングコストの弱点もクリアーされた以上、推すをはばかる理由がない。

 いや、実は推すをはばかる理由はあるが、人によって要不要が明確に分かれるため、あえて外している。いうまでもなく、フィルムスキャンの性能とアミューズメント機能の存在だ。このあたりの機能・性能まで求めるなら、やはりエプソンかキヤノンからの選択となる。筆者としては、PM-A890かPIXUS MP800を推しておきたい。ただ、両機の実力は拮抗しており、いずれかに軍配を上げるのは不可能だ。あとは各機の個性を知ったうえで、自分にあった製品を選んでほしい。

HP Photosmart 3210


もともと各種の自動判別機能が便利だったが、フォトトレイの改良でその印象がさらに強くなった。鮮やかな色調、高速性と低ランニングコストを実現した点も、複合機らしい明確なコンセプトで評価できる。

主要3社の複合機の主な仕様一覧

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***


提供:日本ヒューレット・パッカード 株式会社
ソフトバンク クリエイティブ株式会社 PC USER 12月号『複合機・プリンター コンプリートガイド』 より抜粋

制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年1月17日

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