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タブレットPCによるレビューは、なぜホワイトカラーの生産性を大幅に向上できるのか?タブレットPCハンズオン(2):“目に見える業務効率化”の秘訣(3/3 ページ)

前回のリポートで「“勝てるプレゼン”の極意」を理解していただけたと思うが、タブレットPCの有効な活用事例はまだ他にもある。というより、これこそがタブレットPCを最も有効に活用できる事例と言ってもいいかもしれない。それが、文書のレビューである。

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 実証調査では、業務で実際に文書のレビュー作業を行っており、しかもタブレットPCをこれまで1度も利用したことのない人を31名集め(このうち3名はアンケートとインタビューのみ実施)、普段行っているのと同じ方法と、タブレットPCを利用する場合の2通りで実際にレビュー作業を行ってもらったという。作業内容は、メールで送られてきた文書に対し、指定された修正指示を入れて相手に戻すというもので、作業時間は20分に制限している。

※調査は、「あなたはとある食品会社の営業企画スタッフである。現在、デザイン会社と制作会社とともに新製品のパンフレットを作成しており、デザイン会社からメールで送られてきたパンフレットの校正用原稿を確認し、修正・加筆の指示を加えて、デザイン会社と制作会社に送り返さなくてはならない」という状況を想定して実施している

 その結果、普段と同じ方法でレビュー作業を行った場合は、30%弱の人が制限時間内に作業を完了できなかったのに対し、タブレットPCを利用した場合は、全ての人が制限時間内に作業を完了できた(グラフ1)。しかも、タブレットPCを利用した場合の作業時間は、普段の方法に比べて平均で4分43秒も短縮できている。


グラフ1:レビュー方法によるタスク(作業)達成率と達成者の平均タスク実行時間。タブレットPCではすべての人が制限時間内に作業を完了できており、また、作業時間も平均で4分43秒短くなっている(資料提供:イード)

 さらに作業後に、普段の方法とタブレットPCを利用した場合とを比較して、どちらが優れているか聞いたところ、実に83.9%の人がタブレットPCの方が優れていると答えたのだ(グラフ2)。これは、まさに圧倒的な数字と言ってもいいだろう。しかも被験者は全員、それまでに1度もタブレットPCを触ったことがなくて、この結果なのである。


グラフ2:作業終了後にアンケートとインタビューを実施したところ、実に83.9%の人がタブレットPCの方がよいと回答した(資料提供:イード)

 作業効率については、タブレットPCを使うことによって作業効率が上がると答えた人が93.5%にも達した(グラフ3)。さらに、作業効率が上がると答えた人に対してどの程度効率が上がるかを聞いてみたところ、平均で44.8%との答えが得られた。ホワイトカラーの生産性向上は今やどの企業にとっても至上命題のはずだが、まったく手つかずの大地が残っていたわけである。


グラフ3:作業効率が上がると答えた人は、圧倒的大多数の93.5%。作業効率の向上率も平均で44.8%と極めて高い結果が得られた(資料提供:イード)

 この実証調査結果の詳細は、マイクロソフトのWebサイトに掲載されているので、興味のある方はぜひ参照してもらいたい。

 飯島氏がタブレットPCを使い始めたのは今から約3年前。当初からタブレットPCのマーケティングを担当していたこともあり、日本では最も早い時期からタブレットPCに触れてきた人でもある。もともとマーケティング部門に所属していたためプロモーション会社などとのやりとりが多く、タブレットPCが登場する前から、業務の一環として日常的に文書のレビューを行ってきたという。

 しかし、タブレットPCを使い始めてからは、レビュー用のデータは全てデジタルデータで送ってもらうようにして、タブレットPCで変更の指示などを書き加えるというスタイルに変更したという。そして、この部分こそが、タブレットPCを使い始めて最も生産性が向上したと実感するところだそうだ。


マイクロソフトが無償配布しているタブレットPC用機能拡張パック「拡張パックfor Windows XP Tablet PC Edition」に収録されている「Snipping Tool」を利用すれば、画面上の任意の範囲を切り取り、それにコメントなどを書き込んで、電子メールやドキュメントに挿入できる。簡単な修正指示ならSnipping ToolだけでOKだ(「拡張パックfor Windows XP Tablet PC Edition」のダウンロードはこちら

 筆者も経験があるのだが、校正用の原稿をFAXでやり取りすると、文字や図が潰れて読み取れなかったり、電話では加筆・修正指示がなかなか伝わらなかったりで四苦八苦することがある。そういうときに、タブレットPCがあればどれだけ楽だろう、と考えたことは過去にいくらでもある。タブレットPCの存在を知っていれば、すぐに思い浮かぶことだ。翻って考えれば、タブレットPCの存在や利点にまだ気が付いていない人が多いからこそ、今回の実証調査のような圧倒的な結果が得られたのだろう。

 ビジネスシーンにおけるタブレットPCの認知度は徐々に上がりつつある。中には一括でタブレットPCを導入するところも増えていると聞く。前回紹介したプレゼンテーションや今回の文書レビューといった用途はもちろんだが、ペンで“書く”ことで業務を効率化できる分野や可能性は多岐に渡る。

 業務を効率化しライバルに差を付けたいなら、タブレットPCの導入を本気で考えてみてはいかがだろうか。もちろんその価値は十分にあると断言できる。

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提供:マイクロソフト 株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日

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