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地上デジタル放送もすぐ見られる手軽さが光る──NEC「VALUESTAR W VW970/EG」2006年春の地デジ対応モデル連続レビュー(1/4 ページ)

NECの大型液晶一体型PC「VALUESTAR W」シリーズがフルモデルチェンジした。NECの第二世代となる新しいデジタル放送機能と、電源スイッチを押してから約2秒で映像が表示される「ぱっと観テレビ」機能を試してみた。

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PCとしては、トップクラスのデジタル放送受信機能

 NECはPC上のデジタル放送受信機能の搭載に積極的で、2001年1月にはBSデジタル、2004年1月には地上デジタル、とともに初めてPCに受信機能を持った製品を送り出してきた。しかし、デジタル放送特有の「技術的課題」のため、使い勝手は必ずしもよくなかった。


今回評価するのはVALUESTAR Wの上位モデル「VW970/EG」

 今回のVALUESTAR Wには、NECとして第二世代とも言えるデジタル/アナログ一体の受信環境を装備している。最大の特徴は、ハイビジョン用ハードウェアデコーダと、アナログ用ハードウェアエンコーダの同時利用による、ハイビジョンのSD変換(ダウンコンバート)機能だ。なお、NECはこれを「アナログ変換機能」と呼んでいるが、HD MPEG-2をSD MPEG-2に再エンコードする機能であって、決してアナログに変換するわけではない。

 すべての処理過程をハードウェアで行うため、実時間(1時間分のハイビジョン番組を1時間)で変換可能。もちろん、デジタル放送対応のAVレコーダでは珍しくない機能だが、PCでは初めてだ。さらに注目したいのが、デジタル放送の録画時に、最初からこの変換機能を使って8Mbpsから1.2Mbpsまで、アナログ放送録画と同様のビットレートで録画できる点だ。こちらはDVDレコーダでも持っているものは少ない。

 ハイビジョン録画は美しい映像をそのまま残せる利点があるが、HDDの容量をアナログ番組の3倍から6倍ほど消費する。一方でユーザーには画質を下げてでも長時間の番組を残したい、というニーズもある。そういうユーザーにとって、デジタル放送も録画時に録画モードが選べるのは便利だ。

 PCではまだ少ない、DVD-RAMへのムーブに対応していた点も、新しいポイントだ。ムーブできるのは番組単位(番組内における特定範囲だけのムーブはできない)であることや、ムーブの前にダウンコンバート処理を行っておく必要があること、副音声はムーブできないこと、5.1chサラウンド放送は2chにダウンミックスされる点など、DVDレコーダと比べるとまだまだ機能面で見劣りするが、ムーブに非対応のデジタル放送対応PCが多い現状においては、特筆すべき大きな進化と言える。

 さらに、デジタル放送を操る「SmartVision」も改善されている。従来は、地上アナログ(SmartVision)、BSデジタル(SmartVision BS)、地上デジタル(SmartVision DG)と3種類のソフトに分かれていたが、今回のモデルからすべてのテレビ放送の予約録画から視聴、ダウンコンバートやムーブまで1つのSmartVisionに統合された。もちろん、すべてのテレビ放送がSmartVisionの子画面で「ながら視聴」できる。いままで対応していなかったMedia Garageでも地デジタルの視聴と録画が可能になったことにも注目しておきたい。

 VALUESTAR Wのデジタル放送受信環境は、ハードウェアデコーダを装備しているので、PC側のCPUリソースはほとんど使わない。デジタル放送を見ながら、PC側で重い処理を行うといった使い方も可能になる。もちろん、アナログ、デジタルの同時録画も可能だ(ただし、デジタル録画時にダウンコンバート機能を使っている場合は、アナログ録画は行えない)。

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