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A3ノビの写真プリントがさらに手軽に――「PX-G5100」(1/2 ページ)

光沢顔料インクを採用したA3ノビ対応機「PX-G」シリーズに新モデル「PX-G5100」が登場した。最大の見どころは、同シリーズ初となる「Epson Color」への対応だ。被写体を自動判別して、それぞれに最適な補正を行い、高品位な写真プリントを手軽に実現できるという。今回はその実力を試した。

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ハードウェアの進化は今回も見送り

8色顔料インクを採用したPX-G5100。Proselection全体の統一イメージとなる“精悍さ”を強調した外観。配色の一部が明るい銀に変更された。実売価格は7万円前後

 エプソンはプロ/ハイアマチュア写真家向けに、プリンタやスキャナ、フォトビューワ、デジタルカメラなどの「Epson Proselection」製品群をラインアップしている。ここで紹介する「PX-G5100」は、「PX-Gインク」(*1)を使用するA3ノビ対応モデルとして話題を呼んだ「PX-G5000」の後継機だ。久々のA3ノビ機ということで「PX-Pインク」(*2)を採用する「PM-4000PX」の後継を期待していたユーザー層は落胆したものの、PX-GのA3ノビ機が待望されていたのもまた事実である。CD/DVDレーベル印刷などの付加機能と、名刺サイズや四切、六切へのフチなし印刷といった希少性が混在するユニークなプリンタに仕上げられている。このため、ガチガチなプロ向け仕様の「PX-P/K3インク」(*3)採用機「MAXART K3」シリーズよりも取り付きやすい印象がある。

 それは大いに結構なのだが、問題はハードウェアの仕様がPX-G5000と何ら変わらないことだ。インクセットはもちろん、ヘッドのノズル数にも変化はない。念のためにプリントスピードを計測してみたが、やはりPX-G5000と変わらぬ結果である。

 昨年末に発表された新モデルにしても、複合機ラインアップの拡充とEpson Colorのお披露目的な意味合いが強く、ハードウェアの躍進は見られなかったため、これに続くPX-G5100がマイナーバージョンアップでも驚くにはあたらない(それだけに春モデルへの期待が強かったのも事実だが)。数少ない変更点としてエプソンが掲げているのは「Epson Color」への対応だ。Epson Colorとは、「オートフォトファイン!EX、つよインク、純正写真用紙の3つを使用すれば、高品位の写真を手軽にプリントできますよ」という品質保証であり、ブランドとしての意味合いも持つ。

全色独立型のインクタンク。標準で付属するカートリッジは、フォトブラック/マットブラック/シアン/マゼンタ/イエロー/レッド/ブルー/グロスオプティマイザの8色


*1透明感のある表現が不得手とされる顔料インクにおいて、インク周囲を包む樹脂の高密度化と、グロスオプティマイザによるプリント面の均一化(光の乱反射の低減)により、美しい光沢感を実現したインク。構成はシアン/マゼンダ/イエロー/ブラックの基本色に、マットブラック/レッド/ブルーを加え、さらにグロスを追加した全8色。

*2イエロー/マゼンダ/ライトマゼンダ/シアン/ライトシアンの5色に2種類のブラックを加えた全7色構成。シャドー部の階調表現を向上するグレーやマット紙向けのマットブラックなど、ブラックは用途に合わせて交換可能。

*3PX-Pインクをベースに光沢感や耐擦性を向上させ、3種類の濃度のブラックインクを用いることで豊かな階調表現を実現したインク。構成はシアン/ライトシアン/マゼンタ/ライトマゼンタ/イエローの5色と、ブラック/グレー/ライトグレーの3色をあわせた全8色。ブラックは用途に合わせてフォトブラックとマットブラックを交換できる。

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