既存の業務システム&ワークフローに電子文書化ソリューションを組み込める「CapturePerfect SDK」:プログラミング編(5/5 ページ)
キヤノン製ドキュメントスキャナDRシリーズの最大の特長は、自社の業務システムからDRシリーズの全機能を自在に制御・活用できるようにするソフトウェア開発キット「CapturePerfect SDK」が提供されている点だ。今回は同キットにフォーカスし、どこまで簡単にDR-5010Cを活用できるかを探ってみたい。
可読性の低いVBでも理解しやすく高機能なSDK
筆者は、実際にVBに触れるのが実に10年ぶりであり、Windowsのプログラミングに普段から接する機会もない。プログラミング知識に関してはほぼ初級者という段階でこのSDKに触れた。
Visual Basicは取っつきは良いがソースの可読性が低く、特に開発環境の中で右往左往しても、どこにどんな機能が隠れているのかがわかりにくい。その上、外部DLLを読み込んでプログラムを組むという、どちらかといえばVBでは面倒なプログラミング手法にやや腰が引け気味だったが、実際にそのサンプルコードに触れてみると、実に柔軟性が高いことがわかってきた。
その理由は、CapturePerfect SDKが単純に機能やパラメータ設定を行うためのAPIを公開するだけでなく、具体的な処理を実行するためのAPIを多数用意しているためだ。機能の呼び出しAPI自身は非常に少なく、処理の指示をprofileなどでまとめておける点も、プログラミングをシンプルにしてくれる。
テイストとしては、いわゆる開発用ライブラリセットではなく、CapturePerfect 3.0というアプリケーションプログラムの機能を自分の作成するプログラムの中に取り込んでしまい、各機能の細かな処理に関してはSDK側にお任せとなるのだ。このためバグが発生しにくく、バグが発生した場合でも深刻な状況には至らない。実際に動かし、その振る舞いを見れば、プログラミングのミスはすぐにわかる。
このような構成のため、実際にプログラム設計に入る前に、CapturePerfect 3.0を自分で使ってみれば、プログラムを組む際の手法や手順を検討できる。まずは自分の手で各種設定を行い、実際にスキャンジョブを実行して、その結果を評価する。その後、全く同じことをプログラム内で指示していけば、それだけでアプリケーションができてしまうのだ。
PDFやOCR、バーコードリーダなどの機能も上記手順と全く変わりなく、プログラマー側はパラメータを適切に設定しておくだけ。全く「スキャナを使いこなす」という感覚がない。
これだけシンプルな手法でプログラミングができるのであれば、スキャナを利用するアプリケーションを一度も組んだことがないユーザーでも、簡単に使いこなすことができるはずだ。
関連記事
- かゆいところに手が届く多機能スキャンユーティリティ「CapturePerfect」
オフィスに不可欠なツールとして、ドキュメントスキャナが急速に普及している。PCを始めとするハードウェアの進化やPDFの普及などがその背景にあるが、スキャナソフトの機能向上も見逃せない。キヤノン製スキャンユーティリティ「CapturePerfect」を切り口に、ドキュメントスキャナの“今”を追った。
関連リンク
提供:キヤノンマーケティングジャパン 株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月19日
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.