レビュー

その美しさが「特別な満足感」を生み出す──デル「XPS M2010」(2/3 ページ)

そのスタイルに誰もが魅入ってしまうXPS M2010。しかし大事なのは見た目じゃない。使い勝手と性能を知らずしてXPSノートは語れないのだ。

低音の大音響も難なく再生。静かなシーンも問題ない優れた静音性能

 XPS M2010のようなエンターテイメント利用を意識したノートPCで重要なポイントとなる音質は液晶ディスプレイの下部に搭載された左右4つずつのスピーカーと筐体下部に取り付けられたサブウーハが担う。XPS M2010にはVAIO type Aが採用しているSound Realityのような高音質再生エンジンは搭載していない。左右スピーカーの出力はあわせて10ワット、サブウーハは5ワット。ノートPCで大音量を出力すると筐体に響いて割れたような音になることがあるが、XPS M2010ではそのようなことは起こらない。評価作業で戦闘シーン(SF系アニメではなく実写のナポレオニック戦争映画)を最大音量で再生したが、甲高い悲鳴も腹に響くような重砲の砲声もひずむことがなかった。

 M2010ではHDDを2台搭載してRAID 0、もしくはRAID 1を構成できる。その動作音から推察するに筐体側面後方に搭載されていると思われるが、その部分の熱が大変熱くなっているのが気になる。とはいえ、評価作業中において動作にとくに問題は発生していない。XPS M2010の内部で発生した熱は背面の左右両端に設けられたスリットから排出される。背面に向かって開口しているのでユーザーにはファンの音が気にならない。評価作業は静かなオフィスで行ったがムービー再生中の静かなシーンでもまったく気にならなかった。光学ドライブもいたって静かだ。静音性能はかなり高いと思っていい。

底面に取り付けられたサブウーハは出力5ワット。最大音量で低音を響かせても筐体に「びびり」音がしない。底面からはメモリスロットにアクセス可能だ

 デザインが優れているだけに外付けのデバイスをできるだけ使いたくないのがこのノートPCのターゲットとしてデルが考えている「スタイルを大事にしたいユーザー」の気持ちだろう。しかし、XPS M2010には外付けの周辺機器が数多く用意されている。とくに気になるのがリモコンユニットのUSB接続受信ユニットとUSB接続のTVチューナーだ。デルが「Audio/IR Blaster」と呼ぶ専用コネクタ接続の角型光出力を備えたサウンド出力端子も外付けになっている。

advertisement

 ただし、「ユーザーから要望が多くあった場合はデジタル対応チューナーも検討しなければならないだろう」とデルがいうように、新規格に対応したチューナーが登場した場合、内蔵より外付けのほうが交換が容易である点は考慮していいかもしれない。

 液晶ディスプレイ上部にはカメラユニットが搭載されている。カメラユニットのチルドはユーザーが手を使って行えるが左右の動きはできない。しかし、内蔵されているのがロジクールの「顔を認識して自動で追尾する」Webカメラで、左右上下どの方向でもユーザーの顔を追いかけて撮影アングルを変えてくれる。

外付けのチューナーユニットはUSB 2.0接続。地上アナログのみに対応する従来からあるモデルだ
ユーザーの顔を判別して自動で追尾するロジクール製のWebカメラを搭載する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.