レビュー

「プリアンプ」「パワーアンプ」に思わず見える斬新な筐体──ソニー「VAIO type R master VGC-RM70DPL4」(3/3 ページ)

VAIOのハイエンドデスクトップPC「VAIO type R」がフルモデルチェンジする。強力なコンテンツ作成PCという特徴を引き継ぐが、デザインを大胆に変えて使い勝手を突き詰めたモデルに生まれ変わった。

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ハイエンドモデルに相応しいキーボード、マウス、ディスプレイ

 キーボードのデザインも一新された。いたずらにキーの数を増やしたりワイヤレス化するのではなく、今や当たり前となっている「メール」「インターネット」といったアプリケーション起動キーすらなくして、シンプルなデザインに仕上げている。「PgUp」「PgDn」「Home」「End」が「Fn」キー併用であったり、「Insert」「Delete」キーが数字キーの上にあるなど慣れが必要な部分もあるが、「Enter」「BackSpace」など一般に利用頻度の高いキーは大きく確保され、ファンクションキーも4つずつ分割されている。

 キーストロークも深めでキータッチは極めて「良質」だ。キーボードユニットの幅は一般的なサイズだが、キーレイアウトをシンプルにしてキーユニットの幅を詰めた分の空きスペースにはFelicaポートが準備され、電子マネーカードの残高照会やオンラインチャージなども可能になっている。

 マウスはトラッキング性能の高いレーザーセンサーを採用したタイプ。光学センサでは使えない無色透明のガラステーブルでも利用できた。キーボード同様有線のUSB接続だが、キーボード背面に準備されたUSBポートに接続することも可能だ。

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 付属ディスプレイはフルHDコンテンツを間引きしないで再生可能な1920×1200ドットの解像度を持つ24インチワイドのSDM-P246Wだ。DVI入力はHDCPに対応しており、コピーコントロールされたハイビジョン映像も制限なく表示できる。コントラスト1000:1、視野角178度、オーバードライブ回路搭載でGtoGで6ミリ秒の反応速度というパネルを採用する。階調表現を重視して内部10ビット演算を採用し輝度は300カンデラに抑えている。パネル表面もノングレアコートされており、明るいリビングなどで常時TVを視聴するよりも、近距離でビデオ編集を含めたPC用途を重視したタイプだ。同サイズの液晶テレビと比較すると若干輝度は低いが、落ち着いた色調でグラデーション表現も滑らかだ。

 さすがに24インチとなると、1920×1200ドットでも文字認識も苦労することなく、派手過ぎない発色やノングレアコートと合わせてPCディスプレイとして極めて快適に使える。またDVI×2、アナログRGBの3系統入力にあわせたKVMスイッチ機能も備えており、ディスプレイにUSB接続したキーボード、マウスを入力切替に連動して切り替えることも可能。これで3台のPCを接続してディスプレイとマウス、キーボードを共用できる。

VAIO type R masterの店頭モデルのすべてにアクティブステレオスピーカーが同梱される
キーボードも新しいユニットに変更された。パームレストがキーボードカバーを兼ね、FeliCaポートを内蔵するのは従来どおりだが、機能ボタンが大幅に減らされて「シンプル」なデザインになった
上位モデルのVGC-RM70DPLには映像編集に便利なUSB接続のジョグコントローラとデジタル放送対応のリモコン「RM-DTU2」が同梱される

安価でないが満足度は高い、孤高のハイエンドPC

 本製品は店頭予想価格で約55万円と安価ではない。大手PCベンダーのハイエンドモデルはいずれれも「大画面パソコンテレビ」という方向性が強く、今や37インチワイドディスプレイを搭載するPCも存在する。本製品の価格とスペックを見て、高いと思ってしまう人も決して少なくないだろう。価格に関しては単体で購入すれば実売価格が9万円程度する「Adobe Premire Pro」が付属する点も考慮しなければならないが、これを差し引いても安くはない。

 また、相変わらずデジタル放送だけはピクセラ製のソフトウェアを採用しており、UIの統一が図られていない点も気になる。東芝、NECが自社製ソフトでインタフェースの統一を図っていることを考えると、ソニーもいつまでもピクセラ製のまま、というわけにはいかないだろう。デジタル放送以外のマルチメディア機能に関しては「Do VAIO」に集約されているだけにその違和感は強い。

 最後に重箱の隅を突付いてしまった気がするが、この点を差し置いても本製品はハードウェアとしてのデザイン、機能性に強い魅力を持ち、所有することにも喜びを覚えられるイマドキ稀な製品だ。デスクトップPCで競合する大手PCベンダーのハイエンドが大画面のリビングPCに向いているだけに、本製品の存在感は際立つ。もちろん基本的にはハイビジョン編集を求める人向けの製品だと思うが、そうでなくても(予算さえ許せば)欲しくなる魅力を備えた孤高のハイエンドPCと言えるだろう。

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