MS初のWebカメラに“違い”は見出せるのか――「VX-6000」を試す:静止画500万画素のWebカメラ(3/3 ページ)
マイクロソフトがWebカメラ市場に参入した。先行する競合他社の牙城を崩すことができるのか? 最上位モデルVX-6000を試した。
Windows Live Messengerとの連携
LifeCamの一番の売りは「Windows Live Messengerに最適化されている」という点だ。最適化された新機能として挙げられているのは「Windows Live Callボタン」「LifeCam ダッシュボード」「ワンタッチ ブログ 投稿」の3つ。
Windows Live Callボタンは、前述したようにLifeCam本体の上部にある大きめのボタンが「Windows Live Callボタン」で、ここを押すとWindows Live Messengerの「インスタント メッセージの送信」をクリックしたときとほぼ同じ状態になり、オンラインユーザーの一覧が表示される。Windows Live Messengerが起動していない場合は自動的に起動する。なお、LifeCamソフトが起動しているときもWindows Live Callボタンは有効だが、その場合は映像通話はできない。
LifeCamダッシュボードはLifeCamソフトの項で紹介したもので、Windows Live Messengerからも起動可能だ。一方、ワンタッチ ブログ 投稿は、Windows Live Messengerからは利用できない。これは残念だ。
リリースを急ぎすぎたのではないか?
Windows Live Messengerに最適化された機能として挙げられている3点はどれもソフトウェア的なもので、ハードウェア的に最適化されているとは言いがたい。しかも「ワンタッチ ブログ 投稿」に至ってはWindows Live Messengerからは利用できない。Windows Live Callボタンはハードウェアと言えなくもないが、これがどれほど便利な機能なのかちょっと疑問に感じる。
Windows Live Messengerのほとんどのユーザーは、起動時に自動的にログインするように設定しているのではないだろうか。また、Webカメラを日常的に使用するユーザーならWebカメラをいちいち取り外したりしないのではないかとも思う。そう考えると、Windows Live Messengerのメニューから選ぶよりも、手を伸ばしてWindows Live Callボタンを押すほうが便利だとは思えない。
また、Windows Live Callボタンは、本体上部に大きく配置されているため、チルト角を調整しようとして誤って押してしまうことも何度かあった。同じ位置に静止画キャプチャのシャッターボタンが配置されているWebカメラもあるが、そのほうがまだ使いやすい。例えばこのWindows Live Callボタンが、デバイスドライバのアップデートでプログラマブル・ボタンとして利用できるようになってくれればうれしいのだが。
同価格帯の競合製品と比較して目を引くのは500万画素の静止画キャプチャだが、これも購入動機になるほどの効果は期待できない。正直に言ってしまうと、さすがマイクロソフトと言えるような「違い」は残念ながら見つけられなかった。迅速なバージョンアップで対応したとはいえ、添付ソフトウェアの品質やデザインなど、リリースを急いだあまりにとっちらかっているような印象があり、やや厳しい船出という感が否めない。
LifeCamはマイクロソフトが最近力を入れているWindows Live サービスの純正周辺機器という位置付けだと考えればいまこのタイミングでWebカメラに参入したのも納得できる。LifeCamの一番の売りはWindows Live Messengerの開発元が提供している、という純正品としての安心感かもしれない。後発の製品として注目に値する画期的なフィーチャーを今後の製品に期待したい。
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