DVI対応のUSBディスプレイアダプタ「REX-USBDVI」――ラトック内覧会:USB-RGBを追撃
ラトックシステムがプレス向けに実施した内覧会に、USB 2.0でマルチディスプレイ環境を実現する「REX-USBDVI」が展示されていた。DVIに対応したハイエンドチップを搭載する。
ラトックシステムは7月19日、同社新製品を展示するプレス向け内覧会を実施した。目玉はもちろん、同日発表されたUSBマルチディスプレイアダプタ「REX-USBDVI」だ。会場ではクアッドディスプレイ環境でのデモも行われていた。
REX-USBDVIは、USB 2.0接続でディスプレイインタフェースを増設するアダプタ。USBバスパワーで動作し、ノートPCや増設スロットのないスリムデスクトップでも手軽にマルチディスプレイ環境を構築できるのが特徴だ。
既存の製品と大きく違うのはDVIをサポートした点で、アナログRGB接続に比べてにじみのないクリアな出力を実現したほか、1600×1200ドット(ワイドは1680×1050ドット)の高解像度表示に対応している。ちなみに、最新のドライバで高解像度に対応した「サインはVGA」は16ビット表示になるが、REX-USBDVIは32ビットのフルカラー(1677万色)表示だ。
昨今のワイド液晶ディスプレイはDVI出力を備えた製品が多いが、(アナログRGBの)USBアダプタによるマルチディスプレイ環境では、デジタル出力時の表示に比べて精細さに欠けるという問題があった。REX-USBDVIの価格は競合製品の5割増しという印象だが、「アナログのふやけた表示には耐えられない」と考えているユーザーには朗報だろう。
なお、REX-USBDVIのパッケージには、D-Sub15ピンの変換アダプタも付属しており、アナログ接続にも対応している(この場合の最大表示解像度は1280×1024ドット)。
内蔵チップにはDisplayLinkのレンダリングエンジンが採用されており、描画の仕組みはアイ・オー・データ機器の「USB-RGB」とほぼ同じ。ただし、USB-RGBが「DL-120」を搭載していたのに対し、REX-USBDVIは上位版の「DL-160」を採用しており、この違いがそのままDVI対応や最大表示解像度に反映されている。また、最大6台のREX-USBDVIを同時接続して(PC本体側の出力をあわせて)7画面以上のマルチディスプレイ環境を構築可能だ(関連記事:ぼくらは「USB-RGB」を誤解していたかもしれない)。
REX-USBDVIの価格は1万5800円(税別)で、店頭売価は1万5000円前後になる見込み。今月下旬(早くて来週末くらい)から発売される。
Mac用DVI切り替え器や参考展示品も
今回の内覧会では、REX-USBDVI以外にもいくつかの新製品が展示されていた。
先日発表された「REX-220CUDP」はMacintosh専用の切り替え器で、2台のMacを1つの入力デバイスとディスプレイで利用できる。最大の特徴は、DVI接続で23インチCinema HD Displayの1920×1200ドット表示をサポートした点だ。
ちなみに、同シリーズのWindowsモデルでは1600×1200ドット表示が最大だが、ハードウェアの構成を変更したうえで、チップ自体のサポート解像度を超える1920×1200ドット表示まで独自対応したという。価格は1万5800円(税別)で7月下旬より出荷を開始する。
このほか、制御系などの特定用途向けに、ExpressCard /34をシリアルポートに変換する「REX-EX60」(1万2800円予定)や、CF/PCカードを2基のシリアルポートに変換する「REX-CF62」(2万4800円予定)、ExpressCard /34とCardBusの変換アダプタ「REX-EXS50」(2万4800円予定)などが並んでいた。こちらは9月より順次発売される見込み。
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