この白さは“別世界”なVAIO最安ノートPC実力診断──ソニー「VAIO type N」:2007年PC秋冬モデル連続レビュー(2/2 ページ)
実売12~14万円前後のVista搭載低価格ノートPCが熱い。フルモデルチェンジを果たしたソニーの「VAIO type N」はどうだろうか?
アクセスしやすいインタフェースの配置
インタフェースは、新たにUSBポートを4基に倍増したほか、使用頻度の高いものを本体の前半分に集めることで、使い勝手の向上を目指している。前面にはSDメモリーカードスロットとメモリースティックPROスロット、無線LANの電源スイッチを用意し、右側面は手前にExpressCardスロット(ExpressCard/34のみ対応)、その奥に2基のUSB 2.0と4ピンのIEEE1394端子が並び、周辺機器やカード類をスムーズに着脱することができる。左側面にも2基のUSB 2.0が搭載されるので、左右どちらの手でも簡単にケーブル類を取り外せるのがうれしいところだ。背面にはFAXモデムと100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LAN、DC入力端子を配置し、ケーブルを常時接続しても操作のじゃまにならないよう工夫している。
右側面の中央に置かれたアナログRGB出力は、外部ディスプレイを常時接続する環境ではケーブルがわずらわしく感じられるほか、前部に集中したUSB端子にマウスやプリンタのケーブルをつなぎっ放しにするのがためらわれるものの、全体としては操作性は良好で、アクセス性に優れた配置と言えよう。
バッテリーは標準装備のバッテリーパックS(11.1ボルト 4800mAh)で約2.5時間、別売のバッテリーパックL装着時で約4時間の駆動が行える。ACアダプタは重量がケーブル込みで約330グラム、サイズが56(幅)×140(奥行き)×56(厚さ)ミリとやや大柄だ。
低価格ながらバランスの取れたノートPC
本機は家庭/個人向けのメインノートPCとしての利用が期待される製品だけに、発熱や騒音についても大いに気になるところだ。そこで、今回はCPUとグラフィックスに高い負荷をかける3DMark06を走らせた状態での本体の発熱と騒音の状態をチェックした。
TDPが30ワットとノート向けCPUでは発熱量が多めのCeleron 530を採用しているものの、キーボード面は過度に熱を持つ部分は見当たらず、キーボードに手を乗せても不快感を覚えることはなかった。排気口は右側面の奥に配置されるが、システムの負荷が高い状態でもここから吹き出す風量が極端に増すことはなく、キーボードに手を置いた姿勢では、ファンの風切り音はほとんど聞こえてこなかった。これなら深夜でも騒音を気にせず音楽や映像を鑑賞することができるだろう。
最後にベンチマークテストの結果を簡単な考察とともに紹介しよう。ゲーミングPCとしての性能を測る3DMark06とFinal Fantasy XI オフィシャルベンチマークテスト3の結果は、シングルコアの廉価版CPUとチップセット内蔵グラフィックス機能という低価格ノートPCなりの組み合わせが影響し、いずれも低い結果にとどまっていた。Final Fantasy XIオフィシャルベンチマークテスト3も、ゲームを走らせることは不可能ではないが、低解像度モードでも快適にゲームを楽しむのは難しいと言える。
PCMark05の結果を見ると、CPU性能はやや低めで動画のエンコードに代表される重い処理を行うには非力さがぬぐえないが、メモリとHDDのスコアは低価格ノートPCとして満足のいく値を残した。Webサイトの閲覧やメールの送受信、DVD-Videoの再生といった一般的な用途なら問題なく活用できるだろう。
基本性能には少々力不足を感じるところも見られるが、下位モデルのVGN-NR50は実売12万円前後、Office Personal 2007が付属したVGN-NR50Bでも14万円前後という入手しやすい価格には大いに興味をひかれるところだ。
価格以外にも、秋冬モデルのVAIOシリーズで取り入れられたVAIO Movie StoryやVAIO MusicBoxといった新アプリケーションもプリインストール済みで、シンプルながら主張を感じさせるデザインや、低発熱、低騒音がもたらす快適な使い心地など注目できる部分は多く、初めて購入するノートPCを探している人はもちろん、低予算でVista搭載ノートPCの購入を希望する人も、検討する価値のある1台と言える。
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