第2回 複合機6モデルの機能と操作性を比較する:複合機07年モデル徹底攻略(3/3 ページ)
複合機特集の第2回は、エプソン、キヤノン、日本HPの注目モデルについて、本体だけで利用できる機能と操作パネルの使い勝手を比較する。
複合機6モデルの機能を比較する
各複合機がPCなしで対応できる主な機能を下表にまとめた。メーカーとモデルによって、細かい機能に差がある点に注目してほしい。
複合機6モデルのPCなしで利用できる主な機能 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
モデル名 | PM-T960 | MP970 | C8180 | PM-A840 | MP610 | C6280 |
メーカー | エプソン | キヤノン | 日本HP | エプソン | キヤノン | 日本HP |
インタフェース | USB 2.0、100BASE-TX、IEEE802.11g/b、IrDA 1.3 | USB 2.0、100BASE-TX、IrDA 1.2 | USB 2.0、100BASE-TX、IEEE802.11g/b、Bluetooth | USB 2.0、IrDA 1.3 | USB 2.0、IrDA 1.2 | USB 2.0、100BASE-TX |
フィルムスキャン | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
メモリカードダイレクト印刷 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
スキャン画像のメモリカード記録 | ○(JPEG/PDF) | × | ○(JPEG) | ○(JPEG/PDF) | × | ○(JPEG) |
デジカメからダイレクト印刷 | PictBridge、USB DIRECT-PRINT | PictBridge | PictBridge | PictBridge、USB DIRECT-PRINT | PictBridge | × |
2系統給紙 | ○ | ○ | オプション | × | ○ | ○ |
自動両面印刷 | ○ | ○ | オプション | × | ○ | ○ |
CD/DVDレーベル印刷 | ○ | ○ | ○(LightScribe) | ○ | ○ | × |
自動両面コピー | ○ | ○ | × | × | ○ | × |
フチなしコピー | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
CD/DVDレーベルコピー | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
ポスターコピー | ○ | × | × | ○ | × | × |
縮小割り付けコピー | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
トリミングコピー | × | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
手書き合成印刷 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
主な付加機能 | マークシートインデックス、TVプリント、ナチュアルフェイス、モバプリ | マークシートインデックス、TVプリント | DVDスーパーマルチドライブ、学校向け用紙印刷、TVプリント(対応機種未定)、iPodダイレクト写真印刷 | マークシートインデックス、TVプリント、ナチュアルフェイス、モバプリ | マークシートインデックス | 学校向け用紙印刷、TVプリント(対応機種未定) |
インタフェースについては第1回でも触れているが、やはり有線/無線LANを標準で搭載していると便利だ。有線LANはPM-T960、MP970、C8180、C6280、無線LANはPM-T960、C8180が備えている。PM-T960は簡単に無線LANのセットアップが行えるように、AOSSとWPSに対応しているのは見逃せない。
また、エプソンとキヤノンの製品はIrDA(赤外線)も標準で装備しているので、携帯電話などからダイレクト印刷できる。エプソン製品はauの携帯電話から有料コンテンツをダウンロードして印刷できるサービス「モバプリ」もサポートする。C8180はBluetoothの搭載が特徴だ。
CD/DVDレーベル印刷の機能ではC8180に注目しておきたい。LightScribe対応のDVDスーパーマルチドライブを搭載することで、CD/DVDレーベル印刷に対応している。LightScribeとは、CD/DVDメディアのレーベル面に対して、光学ドライブのレーザーを使って文字やグラフィックスを直接書き込む技術だ。仕上がりはモノクロとなり、カラーでの書き込みはできない。
LightScribe機能を利用するには専用メディアが必要なので、ホワイトレーベルのCD/DVDメディアにインクジェットで印刷するエプソンとキヤノンの製品のほうが汎用的だ。ただし、C8180のDVDスーパーマルチドライブは、PCいらずでメモリカード内の画像をCD/DVDメディアにバックアップしたり、CD/DVDメディアに保存された画像のダイレクト印刷、PCからのドライブ共有が可能という利点もある。
細かいところだが、キヤノンの2台はCD/DVD印刷用のガイドを本体の下に収納できるため、未使用時に収納場所に困るようなことがない。
コピーのレイアウト機能が充実しているのは、エプソンとキヤノンの製品だ。CD/DVDレーベルコピーをはじめ、両面コピー(PM-A840を除く)や縮小割り付けコピーができるのは重宝する。日本HPの2製品も、プリント写真のフチなしコピーは可能だ。
エプソンとキヤノンの製品は、メモリカード内の画像をまとめてサムネイル付きのマークシートとして印刷できる機能も持つ。マークシートで印刷の設定を決めてスキャンすると、指定した設定や印刷枚数で出力されてくる。いずれも印刷枚数は最大3枚まで設定できるが、印刷レイアウトはエプソンの「オーダーシート」よりキヤノンの「フォトナビシート」のほうが豊富だ。
なお、日本HPの複合機では、同様の機能を持った「フォトシート」が廃止された。これは、フォトシートの利用者が少ないとの同社による調査結果を受けたものという。
エプソンとキヤノンの製品は手書き文字合成の印刷機能にも注力している。任意の画像を指定して専用の合成シートを印刷すると、ベースとなる画像がうっすらと印刷されているので、その上に手書きの文字やイラストを描き込む。続けてスキャンを行うことで、ベース画像と手書き要素を重ね合わせて印刷できるという仕組みだ。
付加機能では、今年はネットワーク経由のTVプリント機能を持った製品が増えた。動作確認されているTVはパナソニックのVIERAシリーズくらいなのだが(日本HPの製品は対応テレビが未確認)、将来的にはもっと追加されていくだろう。ただし、現状で印刷できるのは放送側で許可されたコンテンツのみで、視聴している番組の画面をキャプチャして印刷することはできない。
次回はPCから利用する機能やドライバ関連、付属ソフトの違いにメスを入れる。第3回はこちら。
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