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Vista、というより、クアッドコア元年だった2007年2007年アキバ総括 PCパーツ編(1/4 ページ)

Windows Vistaの発売で幕を開けた2007年。1年間のPCパーツ事情を、OS、CPU、チップセット、グラフィックスカードの順に振り返る。

「これ以上燃料を投下しても、炎の大きさは変わらない」

カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店でのWindows Vista深夜販売の様子

 2007年1月30日、5年半ぶりの新OS「Windows Vista」が発売され、秋葉原ではおよそ20ものショップが深夜に店内を開放。集まったユーザーは1000人に上り、セイン・カミュ氏や古谷徹氏など豪華ゲストを招いた豪華なイベントを楽しんだ。

 それまでのアキバはWindows Vista登場までの買い控えムードがあり、PCパーツ全般が売れにくい状況だったが、2月以降はVista特需ともいえる好景気が続いた。その後、グラフィックスカードやCPU、マザーボードなどに魅力的な新製品が複数登場したため、1年を通してみると「Windows 95/98時代は知りませんが、ここ数年では目立つ好調ぶりですね」(高速電脳)という状況に。

 しかし、Windows Vista自体の売れ行きはショップの予想をやや下回ったようだ。深夜販売限定パッケージという触れ込みで、通常版と一緒に登場した「Windows Vista Ultimate α」は2007年12月末の時点で在庫しているショップを確認している。4月には第2弾の「Windows Vista Ultimate α+」が登場したが、こちらもゴールデンウィーク商戦のてこ入れにはならなかったという評価だ。

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 その後、Windows Home Serverのお試し版を付けた「Windows Vista Ultimate α+ 自宅 de ホームサーバーお試しキャンペーン 特別限定パック」や、フライトシミュレータ Xの評価版をつけた「Windows Vista Ultimate α+ Games For Windows 特別限定パックWindows Vista Ultimate α+ Games For Windows 特別限定パック」など、豪勢な付属品が詰まったパッケージが次々に投入された。しかし、どれもヒットに結びついていない。某ショップは「ある程度Vistaの需要が満たされたところで、新しい限定版を投入しても手を出す人は少ない。炎の大きさは変わりませんよ」と話す。

 年末の時点で、いくつかのショップは「Vistaの需要は徐々に高まっているものの、Windows XP Professionalの人気がいまでも勝っている」と答えている。Vistaが真の主役になるのは2008年か。

「Windows Vista Ultimate α」はUltimateに、512MバイトのUSBメモリなどがセットになっている。深夜販売当日は、Vista対応リモコンなどさまざまな特典がついてきた(写真=左)。「Windows Vista Ultimate α+」が登場したゴールデンウィーク前後は、複数のショップがα+の看板一色になった(写真=中央)。11月末に登場した「Windows Vista Ultimate α+ Games For Windows 特別限定パック」と、1月に登場した「Windows Vista Ultimate α」。どちらも限定版だが12月末の時点でも購入できる(写真=右)
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