レビュー

いま最良のコストパフォーマンス──ツートップ「VIP 9750a TypeUG」(1/3 ページ)

これから充実が期待できる「HDコンテンツ」を快適に利用できるPCが欲しいなら、AMD 780GとRadeon HD 3450の組み合わせで画質へのこだわりが満載のこのモデルを選ばない道理はない。

 ツートップのVIPシリーズは豊富なパーツを自在に選択できるフルカスタマイズBTOが特徴だ。ショップブランドPCの中でも“老舗”のVIPシリーズだから品質も信頼できる。今回紹介する「VIP 9750a TypeUG」はエントリークラスのラインアップだが、動画配信やビデオ編集で今後主流になるであろう「HDコンテンツ」の扱いが得意なAMD 780Gチップセットを採用している。今回はOSにWindows Vista Ultimate(32ビット版)、PCI Express x16スロットにRadeon HD 3450を搭載した構成で評価してみた。

AMD HD! Experienceコンセプトの要となるAMD 780Gチップセット

AMD HD! Experienceの要件を満たしたバリュークラスPC「VIP 9750a TypeUG」

 HDコンテンツを家電製品だけでなくPCでも楽しみたいというユーザーが増えている。これまではHDコンテンツそのものが少なかったが、地デジ放送で配信されるHDコンテンツにWindows Mediaなどが対応し始めているため、今後はますますPCにも普及すると予想されている。そんな中、AMDが打ち出してきたのが「AMD 780G」チップセットだ。HDコンテンツに対応する家電製品やゲーム機に比べるとPCはパフォーマンス的に少し見劣りしていたが、AMD 780Gはそれを解消する数々の新機能を搭載している。

 まず、注目しておきたいのが、このチップセットにはグラフィックスコアとして「Radeon HD 3200」が統合されており、HDコンテンツをPCで快適に扱えるUVD(Unified Video Decoder)に対応している点だ。これによりMPEG-4 AVCやVC-1のハードウェアデコードが可能となる。同時に55ナノメートルプロセスルールの採用によって消費電力を低く抑えている点にも注目したい。

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 今回の評価機には、ECSの「AMD 780GM-A」がマザーボードとして組み込まれていた。ATXフォームファクタのこのマザーボードは、PCI Express x16スロットが1つ、PCI Express x1スロットが2つ、そしてPCIスロットが3つ用意されて拡張性も高い。 PCI Express x16スロットにRadeon HD 3000シリーズのGPUを搭載するグラフィックスカードを組み込むことによってマルチGPU技術である「Hybrid Graphics」を使用することも可能だ。

 メモリはDDR2-1066/800/667/533/400に対応し、4スロットに最大4Gバイトまで搭載できる(あくまで“載せられる”ということであって、認識されるかどうかは導入するOSに依存する)。もちろん、CPUにはAMDのクアッドコアモデル「Phenom」が搭載可能で、BTOでは最新のB3ステップに対応したPhenom X4 9750と同9850 X4 Black Editionが用意されている。消費電力の低いAMD 780Gと“Cool'n' Quiet”に対応したPhenomの組み合わせは、省電力を目指すPCユーザーにまさにうってつけである。

バリュークラスPCながら、5インチのオープンベイを4つ、3.5インチのオープンベイを2つ用意するなど、拡張性は十分確保されている
サポートするインタフェースが充実しているAMD 780Gを搭載しているだけあって、バックパネルにはHDMIやeSATAなども用意されている
ミニタワーケースを使っているので、筐体内部はだいぶ余裕がある
冷却効率を高めるために、CPUクーラーの位置に合わせて外気を取り込むフードとファンが設置されている
マザーボードはAMD 780GとSB700を組み合わせたECSの「AMD 780GM-A」が搭載されていた
ECSのマザーはインタフェースが充実しており、HDMIやeSATAもパックパネルに用意されている
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