nForce 780a SLIで使える「GeForce Boost」ってなに?:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
NVIDIAの「内蔵グラフィックスコアと外付けグラフィックスカードの合わせ技」がようやく登場する。バリュークラスシステムでどれほどの3D性能が実現できるのだろうか。
10ワットの消費電力アップで3D描画性能が2倍に
GeForce Boostの機能を有効にするには、BIOSセットアッププログラムで、Hybrid SLIの機能を有効にして、ディスプレイをマザーボード側に用意された画像出力に接続する必要がある。この状態で、Hybrid SLIに対応したグラフィックスドライバを適用すると、タスクバーの通知領域にHybrid SLIのアイコンが表示される。この「Boost Performance」と「Additional Display」という2つの選択肢のうち「Boost Performance」を選べばGeForce Boostの機能が有効になる。
内蔵グラフィックスコアだけの測定結果とHybrid Boostを有効にした測定結果を比較すると、すべてのベンチマークテストでほぼ倍の性能向上を実現しているのが分かる。消費電力の結果では、アイドル状態の消費電力には差がないのに、3DMark06 Game1の動作時で10ワット程度の違いが見られた。ただ、単体GPUを追加したと考えれば妥当な値である。従来であれば、使われていない内蔵GPUの電力が無駄になっていたことを考えれば、許容範囲内だろう。
少ない投資で性能を強化できるGeForce Boost
nForce 780a SLIとGeForce 8500 GTを組み合わせることで、3D描画性能は2倍ほど改善されることが分かった。今回紹介していないが、nForce 780a SLIはPCI Express x16の物理スロットを3本備えているので、3-way NVIDIA SLIも利用できる。ユーザーの計画として、
Step 1:nForce 780a SLIの内蔵グラフィックスコア
Step 2:GeForce 8500 GT/8400 GSを追加してGeForce Boostで利用
Step 3:3-way NVIDIA SLIによる3GPU構成やGeForce 9800 GX2を利用したクアッドGPU
と段階的に拡張できることになる。購入のときは内蔵GPUだけで予算を低く抑え、次いでGeForce 8500 GTを追加してGeForce Boostで利用可能、夢はクアッドGPUと、スケーラブルに(同居人の目と家計をごまかしながら)アップグレードできることも不可能ではない(家計を握られている自作PCユーザーには願ってもないこと)。
GeForce 8500 GTを搭載したグラフィックスカードは、6000円から7000円で程度購入できるなど、非常に安価になっているし、GeForce 8400 GSに至っては5千円以下で購入できる。アップグレードにかかる費用と、それで実現する性能向上のバランスを比べると、GeForce Boostのコストパフォーマンスは高いといえるのではないだろうか。
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