ついにAlienwareが日本上陸!?――Dellが考えるコンシューマーPCとノートPC:Dell生誕の地から(2/2 ページ)
米国と欧州の一部でのみ販売されていたゲーミングPC「Alienware」が、日本でも発売されるかもしれない。
Dellが狙うノートPCの3つのターゲットとは?
Dellでビジネス向け製品とワールドワイドのノートPC製品を担当するビジネス プロダクト グループ上級副社長ジェフ・クラーク(Jeff Clarke)氏は、なぜDellがノートPCを戦略事業と位置付けているかについて、こう説明した。
「なぜノートPCにフォーカスするのかというと、高い成長率を維持していること(デスクトップPCに比べて6倍にも伸びているという)、世界的にトレンドがノートPCに移っていること、中国やインドなどアジア太平洋地域で顕著に伸びているからだ」とし、「売り上げ面では2008年でノートPCがデスクトップPCを逆転して、2009年までに販売されるPCはノートPCがデスクトップPCを上回るだろう」との予測を示した。
ノートPCが伸びている理由については、「1つはデスクトップPCとノートPCの価格差が非常に縮まっていること、初めてPCを買う人がデスクトップPCを飛ばしてノートPCをまず買うことにある」と分析した。
すでにノートPCの出荷台数、売り上げともにデスクトップPCを追い抜いている日本では特に目新しい話題ではないが、それが世界的な流れになっているのは間違いない。こういった市場の変化に対応すべく、「Dellとしては、ユーザーのニーズにあった製品を投入していかねばならない。そしてそれぞれの顧客層に特化した製品ブランドを、各地域、各マーケットごとに展開していく必要がある」とクラーク氏は述べる。
「実際、ここ1年くらいの間にノートPCの製造ラインを3倍に増やして、開発にかかる時間は4割カットするなどの施策を施してきた。世界市場では、ノートPCの22%が直販、50%が小売り、38%が代理店経由で売られている。Dellはアジア太平洋地域において直販から小売店、代理店から小売店へと新しいチャンネルを拡大中だ。また、ノートPC市場で狙う3つのターゲットは、低価格帯、教育市場、出かけるときに持って行く機能に特化したPCだ」との具体例を挙げた。
先ほど触れた超小型デバイスと同様、ビジネスPCについても実機の撮影は行えなかったが、米国でシェアNo.1のタフPCである「Latitude XFR D630」やメッシュ状のボディを採用した「OptiPlex」(デスクトップPC)、豊富なカラーバリエーションを備えた12.1インチワイド液晶ディスプレイ搭載のモバイルPC「Latitude」、LatitudeノートPCのオプションとして液晶ディスプレイ一体型ドッキングステーションなどの姿が目を引いた。
ことビジネス製品のデザインはコンシューマー向けの影響を強く受けており、そういったフィーチャーを取り入れたモデルが今後続々と登場するようだ。
コンシューマー向けPCとしては、ミニノートPCやグリーンPC、そしてハイエンドケーミングPCのAlienwareが、いつどのような形で日本に姿を現すのか、大いに気になるところだろう。
グルーゼン氏とクラーク氏がともに述べたことは、「個別の市場ニーズを的確にとらえ、デザインやコンセプトに素早く織り込んでいく必要がある」ということだ。改めて指摘するほど重要なことではないと思うかもしれないが、年間売り上げが6兆円規模にも及ぶ企業がワールドワイド全体で取り組むのだから、話は壮大だ。しかも、これまで述べてきた改革は、2007年2月に創業者のマイケル・デル氏がCEOに復帰してから、わずか1年弱の間に行われてきたことだ。このスピーディーさはかつてのDellをほうふつとさせるものであり、好調だった2009年度第1四半期の成績とあわせて、Dell復活の予兆がすでに現れているのかもしれない。
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