見た目も中身も“F1”級――「Endeavor NJ5200Pro」を試す:C2D T9600+GF88M GTX(2/2 ページ)
エプソンダイレクトの最新フラッグシップ機「Endeavor NJ5200Pro」は、Centrino 2プラットフォームに加えて、グラフィックス機能にGeForce 8800M GTXも選択できる超高性能ワイドノートだ。
キーボードは余裕たっぷりで使いやすいが、タッチパッドにはクセあり
横ピッチ19ミリ/ストローク2.5ミリのキーボードは、文字/記号キーに変則的なピッチがほとんど存在せず、Enterや右Shift、BackSpaceに大型のキートップを採用するなど、窮屈さをいっさい感じさせない使いやすい配列だ。カーソルキーも周囲のキーとは切り離されて配置され、タッチタイプ中に意図しないキーを押してしまうこともない。打鍵感は、シャーシ部の剛性が高いためタイピング中はかっちりと底をたたく感触がある。
タッチパッドは左右ボタンと操作面のあいだに境目のないデザインがユニークだ。中央下部の指紋認証センサーを挟んで搭載される左右のボタンは、一般的なタッチパッドと比べて押し心地が硬く、ストロークも浅いため、長時間使っていると指に疲労を感じた。特にドラッグを行なう際など、ボタンを長時間押し続ける操作では、指に力を込めてボタンを押し込む必要があった。
なお、キーボードの奥には電源ボタンのほか、無線LAN機能のスイッチ、タッチパッドのオン/オフ切り替えスイッチ、画面サイズの切り替えスイッチが並んでいる。いずれのボタンも上辺を除く3辺だけに切り込みを入れて、ボディとの一体感を強調したデザインを採用している。このため、押し心地はタッチパッドのボタンと同様に硬く、確実に操作するには意図して強めに押し込む必要があった。
液晶ディスプレイは、1920×1200ドットという高解像度表示にもかかわらず十分に明るい印象だ。上方/左右方向の視野角も広く、特に左右では真横に近い角度から覗き込んでも発色に極端な変化は起こらなかった。また、ノングレアパネルを搭載することから照明や日光の映り込みによる悪影響も少なく、視認性は非常に優秀と感じた。15.4型ワイドというサイズに1920×1200ドットを表示するため、ドットピッチは非常に狭いが、キーボードに手を乗せた姿勢であれば、アイコンや文字の判別に苦労することもなかった。
Core 2 Duo T9600とGeForce 8800M GTXの相乗効果で抜群の性能を実現
ベンチマークテストは、PCMark05、3DMark06、FinalFantasy XIオフィシャルベンチマーク3(以下FFベンチ)の3つを試した。また、Windows Vistaに付属するWindows エクスペリエンス インデックスの結果も掲載しておく。評価機は、FSBクロック1066MHzに対応し、6Mバイトの2次キャッシュを搭載したCore 2 Duo T9600や、デスクトップPC向けのGeForce 8800 GTとほぼ同等のアーキテクチャを持つというGeForce 8800M GTXといった高性能パーツをそろえたハイエンド仕様だけに、すべてのテストでノートPCとしては極めて優秀な結果を得られた。
まず、Windows エクスペリエンス インデックスは、グラフィックスが最高得点の5.9、ゲーム用グラフィックスもこれに迫る5.8を記録。最も値の低かったメモリテストでさえ5.0という好成績をマークしており、Winodws Vistaのスムーズな動作を約束する性能を確認できた。
PCMark05も、総合スコアのPCMarksが7790という高いスコアをマークした。個別のテストでは、CPUテストで6881と高性能デスクトップPCに迫るスコアを記録したほか、7200rpmの高速HDDの採用が奏功してか、HDDスコアも7797と優秀だった。Graphicsテストの12155という成績も目を引く。いずれのテスト結果にも不満はなく、総合性能は極めて優秀と言える。
高速なCPUとハイエンドグラフィックスチップを搭載した本機は、ゲーミングPCとしての活用も大いに期待される。3DMark06では、通常の1024×768ドット、1280×1024ドットに加え、フルスクリーン表示の1920×1200ドット表示での計測も行なった。3DMarksはそれぞれ10942、9431、7545という結果で、解像度を上げても結果に極端な低下が見られない点に注目してほしい。なお、1920×1200ドット表示での各テストのFPS値は、Return To Proxyconが26.834FPS、Firefly Forestが29.261FPS、Canyon Flightが27.257FPS、Deep Freezeが30.004FPSとなった。オンラインRPGのようなアクション性がさほど高くない3Dゲームであれば、高解像度でもスムーズな表示でゲームを楽しむことができるはずだ。
一方、FFベンチの結果は、低解像度モードで10000点の大台には届かなかったものの、高解像度モードでは7564と優秀な結果を残した。解像度を高くしてもテスト結果の落ち込みの幅が小さいのは3DMark06と同じ傾向で、画質やスムーズな表示にこだわってオンラインRPGを楽しみたいというニーズにも対応できる。
ノートPCに圧倒的な性能を求めるなら
さて、気になる価格だが、CPUとグラフィックスチップにハイエンドパーツを盛り込んだ評価機の構成では35万2800円となる。原稿執筆時点では、キャンペーンの関係で実際の購入価格は33万1800円となったが、それでも30万円を超える出費を決断するには相当の覚悟が必要だ。とはいえ、限られたスペースに設置可能で、かつハイエンドデスクトップPCに並ぶ高性能を享受できるという点で、本機は魅力の高い1台と言える。
もちろん、予算の問題で購入に踏み切れないならば、高価なパーツであるCPUとグラフィックスチップをダウングレードすることで、実用的な性能を維持しつつ20万円台前半まで価格を下げることも可能だ。ただし、あえてこのマシンを選ぶのであれば、やはりここはある程度の出費を覚悟したうえで、可能な限りのハイスペック構成で購入するのをおすすめしたい。
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