デル謹製AtomノートPC「Inspiron Mini 9」の日本語キーボード版を試す:ウワサのミニノートが見参(2/2 ページ)
出る出る、といわれ続けたデルの低価格ミニノートPC「Inspiron Mini 9」。まずは日本語キーボード+Windows XPの上位モデルを触ってみた。
ファンレス仕様で抜群の静粛性を実現
このようにキーボードは相当つらい本機だが、逆に本機ならではの長所もある。それは本機がファンレスである、ということだ。これまで発売されてきたミニノートPCでファンレスの製品はほとんどなく、逆に動画再生などを行うと猛然とファンが回り出すものが少なくなかった。それに対しInspiron Mini 9は、回転部品を持たないSSDを採用したことに加え、ファンレスだから、何をしようと動作ノイズに悩まされることはない。図書館や病院の待合室、夜間飛行中の機内など、どこで開いても騒音で周囲に迷惑をかけないで済む。逆にファンレスだと、本体が熱くなることが懸念されるが、多少動画を再生したくらいでは、ほんのりと暖かくはなっても、熱いというレベルには達しなかった(空調された屋内での利用の場合)。
逆に、ファンレス化するために、性能を抑えている可能性もまったく考えられないわけではないが、どうやらその心配もなさそうだ。簡単なベンチマークテストを実行してみたが、CPU、FPU、メモリアクセスといった部分で、ほかのNetbookと大きく変わることはなかった。
一番大きな違いが生じたのはストレージのテストで、非常に高速な読み出しに対し、書き込みが遅いという結果になっている。価格からいっても、この結果からいっても、本機の16GバイトSSDはMLCチップを採用したものだと思われるが、並列読み出しなどの高速化技術により読み出し性能を大幅に改善していることがうかがえる。ちょっとしたアプリケーションの起動でもたつく感じはほとんどない。
(なお、本機は出荷状態でCドライブの「ドライブを圧縮してディスク領域を空ける」にチェックが入っており、そのため書き込み速度が遅くなっている可能性があります。9月26日編集部追記)
あくまでセカンドマシン用だがファンレス動作は大きな魅力
Inspiron Mini 9は、インテルの標準的なプラットフォームを採用しながら、ファンレス化を実現しているという点で特筆できる。SDDの採用も含め、ほぼ無音のオペレーションが可能ということに魅力を感じる人は少なくないだろう。一方、最大で16Gバイトというストレージ容量は、Windows XP(SP3)を利用するのに十分ではあるものの、アプリケーションをどんどんインストールしたり、音楽や動画、あるいはメールなどのデータを蓄積していくといった使い方に向かないのも事実だ。やはりセカンドマシンとして、Webメールやインターネットコンテンツを中心に利用する、という使い方がふさわしい。
最大の難点であるキーボードは、直販モデルに限られるとはいえ、英語キーボードを選択することで緩和される。できれば、この英語キーボードを、店頭で実際に見て触る機会があればよいのだが……。
価格的には、16GバイトのSSDと2つのオプション(Webカメラ+Bluetooth)を追加した「Inspiron Mini 9 プラチナパッケージ」で6万4980円、4GバイトSSDを搭載したLinuxモデル「Inspiron Mini 9 ベーシックパッケージ」で4万9980円で、それほど安い感じはしない。しかし、デルのこと、実際に販売がスタートすれば、割引きキャンペーンなどもあるのではないかと期待する。小型と静音性を重視するユーザーには注目すべき1台といえるだろう。
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