レビュー

これが法人向けとはもったいない――デルの軽量モバイルPC「Latitude E4300」をドライブするリーガルレッドがうなる(2/2 ページ)

デルのビジネス向けノートPC「Latitude」シリーズがフルモデルチェンジし、最軽量の2スピンドルPCが登場した。その実力に迫る。

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ベンチマークテストで優れた性能を実証

評価機のWindowsエクスペリエンスインデックス画面

 ここでは、ベンチマークテストを実施した。評価機は、CPUがCore 2 Duo SP9400(2.4GHz)、メモリ2Gバイト(シングルチャネル)、HDD容量80Gバイト(5400rpm)というスペックだ。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、グラフィックス以外は「5」以上と優秀な半面、グラフィックスの2項目は「4」以下と、少々見劣りする。評価機の構成ではメモリがシングルチャネルである点も影響しているのだろう。

 実際のアプリケーションを使って、PCの日常用途をシミュレートするPCMark05 1.2.0のスコアも同じ傾向となっており、グラフィックスのみ2000台とほかに比べて落ちている。3D描画性能の目安となる3DMark06のスコアも1000以下で、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3もHighでは2000以下と低調である。それでもPCMark05ではCPUで5882を超えるスコアをマークし、トータルスコアでも4823と、1.5キロクラスのモバイルノートPCとしてはかなり高いレベルの性能を持っていることは間違いない。ビジネス向けとしては十分だろう。

 バッテリーのテストは海人氏作の「BBench 1.01」を利用して行った。「デル推奨」の電源設定(バッテリー駆動時の輝度40%)の状態で、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11nドラフト2.0)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定で、駆動時間は113分だった。評価機が搭載していた3セルバッテリー(容量30ワットアワー)だけに妥当といえば妥当だろう。BTOでは公称駆動時間が約7時間という60ワットアワーの6セルバッテリーも用意されている。

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 騒音や発熱に関しては、まずまずといった印象だ。室温26度、暗騒音32dBの環境で本体左側面の排気口から10センチと近い距離に騒音計をおいて計測した騒音は、アイドル時で34~43dBだった。かなり波があるのは、アイドル時でもたまにファンが回ることがあるためだ。また、HDDのシャリシャリとしたシーク音も少々気になった。負荷時は43~45dB前後で、PCMark05などでも2タスク/4タスクを同時に行うようなテスト内容の時には最大50dB程度まで上がった。温度はボディ左端がもっとも熱くなり、PCMark05 1.2.0を2回実行した直後の放射温度計の表示で41度、表面の手が触れる部分ではキーボードの左上あたりで最大37度だったが、キーボード右側やパームレストは29~32度程度で収まった。


PCMark05のスコア

3DMark06(1280×800ドット)のスコア

FF XIベンチの結果
省電力や通信、セキュリティなどの設定は「Dell Control Point」から一括して行える。環境光センサーやセキュリティデバイスのオン/オフも設定できる

ビジネス向けのノートPCとして高い完成度

 堅牢性の高いボディや液晶ディスプレイ、キーボードなどのクオリティは申し分なく、ビジネス向けノートPCとしての完成度はかなりのものといえる。1.5キロクラスのモバイルノートPCとしては高速なCPUを搭載しているので、3D描画系を除けばベンチマークテストのスコアも優秀だ。BTOのメニューはもう少し整理してもらいたいところだが、企業向けとして多数の選択肢が用意されているのはありがたいところだろう。ベーシックパッケージで12万9980円からとコストパフォーマンスも悪くない。13型ワイドクラスのスタンダードなノートPCとして、貴重な存在といえる。

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