さて、私もそろそろ「初めての3Dを」という人向け──3D対応「VALUESTAR L」の実力チェック:NECの3D Vision対応PC(2/5 ページ)
家庭用3Dテレビと同じフレームシーケンシャル方式を採用した3D対応PC「VALUESTAR L」は、どんな“3D体験”ができるか。PCのパフォーマンスチェックとともに、3D環境でゲームタイトルがどう楽しめるかを試した。
クアッドコアのCore i7-870を中心とした強力な基本性能
基本スペックは、国内メーカー製デスクトップPCとしてはかなり強力である。まず、CPUにはクアッド(4)コアCPUのCore i7-870を採用している。基本動作クロックは2.93GHzで、Intel Turbo Boost Technology(TBT)により高負荷時は最大3.60GHzで動作する。また、1コアを2スレッドを同時にとりこんで処理するHyper-Threading Technology(HT)にも対応しており、合計8スレッドの同時処理が行える。TBTにより、マルチスレッドに最適化されておらず、動作クロックにパフォーマンスが影響されるアプリケーションも、HTによりマルチスレッドに最適化された動画エンコードなどのアプリケーションも、どちらも非常に高速に処理できるわけだ。
マザーボードのチップセットはIntel H55 Expressを採用する。加えて、メインメモリは“標準”で8Gバイト(2Gバイト×4枚)と、大容量。写真や動画編集など、メモリ消費量の多い処理で大いに威力を発揮するだろう。データストレージには1Tバイトの3.5インチHDD、光学ドライブは2層BD-R最大6倍速、2層BD-RE最大2倍速の書き込みに対応したBD-REドライブを搭載する。Blu-ray Disc/DVD再生ソフトにBlu-ray 3Dの再生対応の「PowerDVD 3D」、Blu-ray Disc/DVD書き込みソフトに「Roxio Creator LJ」をプリインストールしている。
グラフィックス機能はGeForce GT 330(グラフィックスメモリ1Gバイト)だ。ロープロファイルのGeForce GT 330搭載グラフィックスカードがPCI Express x16スロットに装着してある。GeForce GT 330はOEM向けのGPUで、DirectX 10に対応。NVIDIAによるとCUDAコア数は96~122で、コアクロックやメモリクロックなども固定でなく、幅があるようだ。評価機のGPU情報をGPU-Zで確認してみたところ、コアクロックは540MHz、シェーダクロックは1302MHz、メモリクロックは790MHz、メモリバス幅は128ビット(帯域25.7Gバイト/秒)などが確認できたが、CUDAコア(ユニファイドシェーダ)数は取得できなかった。いずれにしてもGeForce GT 240よりも2ランク下の位置付けであり、やや古い世代の3DゲームやWebベースのカジュアルゲーム程度なら大丈夫だが、3D描画負荷の高い最新ゲームをプレイするにはやや力が足りないと思われる。
ただ、HD動画再生支援機能のPureVideo HDに対応するため、フルHDクラスの動画をストレスなく楽しめる。加えて、GPGPU技術のCUDAにも対応しており、CUDA対応アプリケーションでの動画エンコードなどにおいて効果を発揮する。ディスプレイ出力はDVI-IとHDMIの2系統を備えており、HDMI出力を用いてPCの画面を家庭用テレビなどに出力して楽しむことも可能だ。さらに動画編集の目的があるなら、USB 3.0を標準で搭載する点も心強い。USB 3.0はUSB 2.0の約10倍となる最大5Gbps(スーパースピード/理論上)でデータを転送できる新世代の接続インタフェースで、USB3.0対応外付けHDDなどとともに、従来より高速にデータ転送が行える。
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