インテルのSSDがSerial ATA 6Gbps転送に対応!――Intel SSD 510シリーズぐりっと使う:SSDでもようやく反撃!(2/2 ページ)
高速性と信頼性でSSDの普及に貢献したインテルのSSDといえば「X25-M」だ。その次世代モデルとなる「Intel SSD 510」は正式に発表された。その実力を検証する。
コントローラの違いが性能の違いになるか!
Intel SSD 510シリーズの性能を「SSDSA2MH160G2GC」を使ってベンチマークテストで検証していくが、今回の測定では「CrystalDiskMark 3.0.1a」と「HD Tune Pro 4.60」のベンチマークモード、そして、PCMark Vantageの「HDD Test Suit」の3種類を利用している。
接続設定はすべてAHCIモードで、書き込みテストでドライブのパーティションを完全に空けた状態にしておく必要があるHD Tune Pro以外のファイルフォーマットは、NTFSで統一した。テストにはIntel SSD 510シリーズのほかに、現行モデルであるX25-M(第2世代版、160Gバイト、SSDSA2M160G2CG)と、Serial ATA 6Gbps対応の「Crucial Real SSD C300 64GB版」を加えている。
テスト環境 | |
---|---|
マザーボード | GIGABTE GA-P55A-UD6 |
グラフィックスカード | Leadtek WinFast GTS250 512MB(NVIDIA GeForce GTS 250) |
メモリ | Corsair Memory TR3X6G1333C9 PC3-10600(PC3-10600 DDR3 SDRAM 2Gバイト×2) |
システム側HDD | HGST Deskstar 7K1000.C HDS721050CLA362(Serial ATA 3Gbps、7200rpm、500Gバイト) |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate |
CrystalDiskMark 3.0.1a
CrystalDiskMark 3.0.1aでは、Intel SSD 510 250Gバイト版のシーケンシャルリードとシーケンシャルライトの向上が目立つ。従来のX25Mと比べると、リードに関しては約1.7倍、ライトに関しては約2.6倍の速度向上を果たしている。120Gバイト版でも若干数値は低下しているが、ほぼ同じ傾向だ。
ランダム4Kバイトの書き込み性能についてはスペック的な低下もあって心配だったが、X25-Mと同等もしくはそれ以上の結果を残している。ライバルのC300との比較ではシーケンシャルライトの高さが目立つ。ランダムライトでもファイルサイズの大きな512KBではIntel SSD 510シリーズが上回り、4KBに関してはC300がやや優位という結果となっている。反対にランダムリード512KBについてはC300のほうが結果がよい。
HD Tune Pro 4.60
【Intel SSD 510 250Gバイト】
【Intel SSD 510 120Gバイト】
【Intel X25-M 160Gバイト】
【C300 64Gバイト】
各項目のベンチマークテストでは、Intel SSD 510シリーズの書き込み安定性がX25-Mと比べると大きく向上していることが分かる。懸念されたIOPSの数値だが、512バイトのリードで低下が見られるものの、そのほかの項目ではほぼ改善が見られており、トータル的には性能アップを果たしていると言ってよい。ただし、ライバルのC300と比べると全体的なランダムアクセスは全体的に低い傾向が見られた。
PCMark Vantage
テスト項目 | Intel SSD 510(250Gバイト) | Intel SSD 510(120Gバイト) | X25-M | C300 |
---|---|---|---|---|
HDD Test Suite | 25115 | 25597 | 21220 | 31606 |
Windows Defender | 131.21 B/s | 130.22 B/s | 110.19 B/s | 188.22 B/s |
gaming | 109.98 B/s | 114.67 B/s | 110.06 B/s | 199.12 B/s |
importing pictures to Windows Photo Gallery | 164.58 B/s | 162.36 B/s | 129.64 B/s | 246.37 B/s |
Windows Vista startup | 105.13 B/s | 116.36 B/s | 106.99 B/s | 176.79 B/s |
video editing using Windows Movie Maker | 118.07 B/s | 117.78 B/s | 95.57 B/s | 122.12 B/s |
Windows Media Center | 185.63 B/s | 183.39 B/s | 111.55 B/s | 163.73 B/s |
adding music to Windows Media Player | 92.59 B/s | 95.26 B/s | 74.79 B/s | 92.96 B/s |
application loading | 69.33 B/s | 70.45 B/s | 68.01 B/s | 72.82 B/s |
実際のアプリケーションの動作を再現することで、ドライブの性能を測るベンチマーク。各項目の統計を表わすHDD Test Suiteでは、Intel SSD 510シリーズの性能が全体的にX25-Mより底上げされていることが分かる。Windows Photo Galleryにストレージからデータを読み込む「importing pictures to Windows Photo Gallery」の項目の改善がやや目立つが、基本的にはX25-Mと同じ傾向だ。C300と比べてみると、動画関係では動画の転送などのシーケンシャル項目では性能が高いが、ランダムアクセスなどを重視する項目では負けている部分が多い。またIntel SSD 510シリーズ同士の比較ではほとんど差が出ていない。
堅実なモデルチェンジ
今回のアップデートは従来のX25-Mから大きな性能アップを果たしたといえる。ライバルのC300と比べるとランダムアクセスなどでやや落ちる傾向はあるなど、X25-M登場時ほどのインパクトはないものの、Serial ATA 6Gbps対応の高速ドライブとしては、十分な性能を持っている。価格面でも性能アップ比率と比較するとお買い得といえる。また、容量ラインアップの強化もユーザーの選択肢が増えるという意味で効果がある。特に、250Gバイトという大容量モデルが登場したことで、1ドライブしか搭載できないノートPCなどでも、余裕のある運用ができるようになるだろう。
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